Housing Starts Rises To Second Highest Since 2007, NAHB Housing Index Surges.
米2月住宅着工件数、米3月NAHB住宅市場指数をおさらいしていきます。
米2月住宅着工件数は年率128.8万件と、市場予想の126.4万件を超えた。金利上昇局面にありながら前月の125.1万件(124.6万件から上方修正)を3.0%上回りつつ、2007年6月と景気後退以前の高水準という快挙を遂げた2016年10月の132.0万件でピークアウト感が漂う。前年比では6.2%増と、前月の10.9%増に届かず。
内訳をみると、一戸建てが前月比6.5%増の87.2万件と2ヵ月連続で増加し過去6ヵ月間で4回目の増加を示す。一方で複合住宅は3.7%減の41.6万件となり、2ヵ月連続で減少した。一戸建ての前年比は3.2%増と6ヵ月連続で増加し、複合住宅は13.0%増と3ヵ月連続で増加した。
4大地域別では、1地域のみ増加し前月の2地域から減少した。今回は、IT産業が集まる西部のみ35.7%増の22.6万件と、前月分の減少をほぼ打ち消した。反対に複合住宅が集中する北東部は9.8%減の7.0万件と、3ヵ月ぶりに減少に反転。住宅市場の規模が最大の南部は3.8%減の48.0万件と減少に転じ、中西部は4.6%減の9.4万件と2ヵ月連続で減少した。
住宅着工件数は改善も、リセッション前の平均値は遠い。
米2月建設許可件数は121.3万件となり、市場予想の126.8万件を下回った。2015年11月以来の高水準だった前月の129.3万件(128.5万件から上方修正)から6.2%減少している。内訳をみると、一戸建てが3.1%増の83.2万件と前月の減少から反転し過去6ヵ月間で5回目の増加に。複合住宅は逆に21.6%減の38.1万件と、前月分の増加を打ち消した。
米2月建設中件数は前月比1.31%増の109.1万件と、件数ベースでは少なくとも2007年12月以来の高水準となる。一戸建てが6.5%減の106.0万件と5ヵ月ぶりに減少した前月から増加トレンドへ戻したほか、複合住宅も1.3.%増の63.7万件と増加を牽引した。
▽米3月NAHB住宅市場指数、大統領選直後の急伸から調整続く
米3月NAHB住宅市場指数は71となり、市場予想並びに前月の65から上振れした。サブプライム危機以前の住宅バブル期にあたる2005年6月以来の高水準を達成。金利上昇局面ながら、トランプ米大統領発足後の上昇に一段の弾みをつけている。
内訳をみると、一戸建て現況指数が78、一戸建て見通し指数(6ヵ月先)も前月の73から78へ急伸した。見込み客指数も前月の46から分岐点を回復し54となり、軒並み景気回復サイクルで最高を示す。
発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のグランガー・マクドナルド会長は、結果を受け「建築業者はトランプ氏が米大統領令で建設許可を促進するクリーン・ウォーター・ルールの廃止を推進したためセンチメントを押し上げた」と振り返る。ロバート・ディエス主席エコノミストは「建設業者の信頼感が高いことは明白だが、今後は伸びが鈍化する」と予想。建築業者は引き続き「原材料価格や住宅ローン金利の上昇、用地や労働力の確保など困難な状況に変わりなはい」と指摘した。
米大統領令マジックで、2005年以来で最高をマーク。
――米2月住宅着工件数のうち一戸建ての75%が販売向けとなるため、65.4万件が市場へ流通する見通しです。新築住宅販売件数を踏まえると、在庫逼迫が解消される期待が高まります。NAHB住宅市場指数は、環境規制の撤廃する米大統領令の恩恵を受けて上振れしましたが、金利が今後上昇する過程で頭打ちになってくる可能性は拭えません
(カバー写真:Summer Bradshaw/Flickr)
Comments
トランプ米大統領の予算教書、勝ち組と負け組は? Next Post:
エンパイアとフィリー、3月も高水準をキープ