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米6月貿易収支、輸出が増加し赤字幅は8ヵ月ぶり低水準

by • August 7, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1713

U.S. Trade Deficit Narrows To 8-Month Low, Weaker Dollar Pushes Exports.

米6 月貿易収支は436.42億ドルの赤字となり、市場予想の436億ドルを下回った。前月の463.91億ドル(465.07億ドルから修正)を5.9%下回り、8ヵ月ぶりの低水準。原油関連を除く貿易赤字は393.26億ドルと、前月の402.18億ドル(403.18億ドルから修正)から改善し3ヵ月ぶりの水準へ減少した。

内訳をみると、輸出が前月比1.2%増(2ヵ月連続で増加)の1,934.74億ドルと2014年12月以来の高水準だった。輸入は0.2%減(2ヵ月連続で減少)の2,380.17億ドルと3ヵ月ぶりの水準へ減少、赤字縮小を促している。

輸出増・輸入減で6月の赤字は縮小。

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(作成:My Big Apple NY)

国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレを除いた実質ベースのモノの赤字は、610.23億ドルだった。前月の628.03億ドル(628.36億ドルから修正)を下回り、3ヵ月ぶりの水準へ減少している。。

なお2016年の貿易赤字はモノ・サービスを合わせて国際収支ベースで前年比0.4%増の5025.52億ドルで、2012年以来で最大を示した。商品市況の下落を背景に輸入が1.9%減の2兆7,116億ドルだったものの、ドル高を背景に輸出が2.3%減の2兆2,094億ドルだったため赤字が膨らんだ。2015年の貿易赤字は前年比4.6%増の5,315億ドルと、2012年以来で最大を記録した。モノの貿易赤字は米国勢調査局ベースで1.5%減の7,343.32億ドルとなる。

6月の輸出内訳をみると、モノは前月比1.4%増と2ヵ月連続で増加した。食品/飲料、資本財、産業財が前月の減少から増加に反転。自動車とサービスは前月に続いて増加した。一方で、消費財は減少に転じ過去4ヵ月で3回目のマイナスを示す。

(増加項目)
・食品/飲料 5.9%増、過去5ヵ月間で3回目の増加<前月は6.2%減
・自動車 2.9%増、過去5ヵ月間で2回目の増加<前月は4.9%増
・資本財 1.9%増、過去5ヵ月間で2回目の減少>前月は1.0%減
・サービス 0.9%増、少なくとも6ヵ月連続で増加=前月は0.9%増
・産業財 0.5%増、過去5ヵ月間で3回目の増加>前月は0.4%減

(減少項目)
・消費財 1.9%減、過去5ヵ月間で3回目の減少>前月は5.6%増

輸入の内訳をみると、モノは0.2%減と2ヵ月連続で減少した。原油価格が伸び悩むなか、量ベースでのエネルギー関連輸入は6.1%減と前月の14.4%増から転じている。金額ベースでも、下落に転じた。エネルギー製品を除いたモノの輸入は0.7%増と、前月の0.6%減をから改善している。項目別では産業財と資本財以外、全て減少した。

(増加項目)
・自動車 3.5%増、過去5ヵ月間で2回目の増加>前月は2.4%減
・資本財 0.2%増、過去5ヵ月間で3回目の増加<前月2.5%増
・食品/飲料 0.6%増、過去5ヵ月間で3回目の減少<前月は0.5%減

(減少項目)
・産業財 2.5%減、過去5ヵ月間で3回目の減少<前月は0.2%増
・消費財 1.5%減、過去5ヵ月間で3回目の減少>前月は2.9%減

国別でのモノの貿易収支動向を前月比でみると、中国への赤字は前月比3.1%増の325.82億ドルと4ヵ月連続で増加し2016年8月以来の水準へ膨らんだ。一方で、日本への赤字は3.9%減の55.72億ドルと3ヵ月ぶりの高水準から減少。欧州全体への赤字額は6.2%減の141.01億ドルと、3ヵ月ぶりに減少した。欧州のうち英国との貿易収支は3.76億ドルの黒字と5ヵ月連続で黒字となったが、前月比12.4%減少した。

主な原油輸出国への貿易収支は、輸入量が減少したため赤字縮小が優勢。カナダへの貿易赤字は54.4%減の6.24億ドルと、赤字幅が縮小しつつ9ヵ月連続で赤字となっている。メキシコに対する赤字額も、24.8%減の59.58億ドルと前月から減少に転じた。石油輸出国機構(OPEC)への貿易収支も44.2%減の8.21億ドルの赤字と、6ヵ月連続で赤字を計上しつつ赤字が減少した。

以下は、今回の各国ごとの前年比ベースのモノの貿易収支動向。モノの貿易赤字は中国や日本、ドイツそして北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国で前年比にて増加した。トランプ政権が通商における再交渉で姿勢を強化させる要因となるか注目される。その他、輸出や輸入を含めた動向は以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

――JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「実質のモノの輸出は過去最高を更新した一方で、輸入の伸びは鈍化しつつある」と振り返りました。その上で、「純輸出は7~9月期に成長に寄与する見通し」と予想。米7~9月期GDPについて「当方の予想値1.75%増を上回る可能性が残る」との見解を寄せています。米4~6月期GDP改定値見通しをめぐっては「2.4%増」で維持し、速報値の2.6%増から下方修正される見通しです。

アトランタ地区連銀は、米7~9月期GDP予測値を従来の4.0%増から3.7%増へ下方修正しました。逆にNY地区連銀は同GDP予測値を従来の1.92%増から1.98%増へ上方修正。それでも、米4~6月期GDPと同じくNY地区連銀の予測値はアトランタ地区連銀を大きく下回ります。アトランタ地区連銀は前期、一時4.3%増と弾き出した予測値を最終的には2.8%増まで引き下げてきましたが、今回も下方修正を余儀なくされるのでしょうか。

(カバー写真:Louis Vest/Flickr)

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