Consumer Price Index Missed Estimates, Low Inflation Continues.
7月の消費者物価指数、生産者物価指数をおさらいしていきます。
米7月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%の上昇となり、市場予想の0.2%以下にとどまった。前月の±0%は上回る。原油先物が7月末にかけ50ドル台を回復するなかでエネルギーが0.1%低下しつつ前月の1.6%の低下から下げ幅を縮小。ガソリンも前月の2.8%の低下から±0%となった。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は7月に一時2.260ドルから2.352ドルと7週ぶりの水準へ上昇していた。一方で、食品・飲料は0.2%の上昇となり前月の±0%から改善した。
CPIコアは前月比0.1%上昇し、こちらも市場予想の0.2%を下回った。前月を含め、4ヵ月連続で0.1%の伸びとなる。項目別では、サービスが0.2%上昇し4ヵ月連続でプラスを示した。帰属家賃が0.3%上昇しプラス圏を維持したほか、医療費が0.4%上昇、パソコンも1.1%上昇していた。服飾は0.3%上昇し、航空運賃は0.7%の上昇と前月の2.7%の低下から改善。低下トレンドを4ヵ月連続で止めた。娯楽も0.3%上昇、前月の0.1%の低下からプラスに転じている。一方で宿泊が4.2%と大幅に低下し、CPIを押し下げた。そのほか輸送が0.1%落ち込み、中古車が0.5%の低下と6ヵ月連続でマイナスを示したほか、新車も0.5%の低下とマイナス基調を維持している。
CPIは前年比で1.7%上昇し、市場予想の1.8%を下回った。2016年10月以来の低水準だった前月の1.6%からは持ち直している。コアCPIは1.7%上昇、市場予想並びに前月と一致し、2015年5月以来の低水準を保った。
CPI、エネルギー以外でも鈍化が顕著に。
▽米7月PPI、コアと合わせ前月比は予想外にマイナス
米7月生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し、市場予想を上回った。前月の0.1%の上昇から転じ、2016年8月以来のマイナスに。7月は月末にかけ原油価格が50ドル台を回復する場面がみられたものの、エネルギーが引き続き弱い。PPIコアも前月比0.1%低下し、市場予想の0.2%の上昇から反転した。前月は0.1%上昇したものの、5ヵ月ぶりにマイナスへ落ち込んだ。財は0.1%の低下、サービスは0.2%の低下を示す。
内訳をみると、エネルギーが0.3%低下したほかガソリンも2.3%落ち込んだ。食品は±0%と、前月の0.6%の上昇から横ばいとなっている。乗用車は3.0%低下。一方で宿泊が2.2%上昇していた。
PPIは前年同月比で1.9%上昇し、市場予想の2.2%を下回った。11ヵ月連続でプラスとなったものの、6ヵ月ぶりの2%割れを迎えた。コアPPIは前月の1.6%の上昇を超えたとはいえ、市場予想の1.8%を下回り1.7%の上昇に。年初来で最も小幅な伸びにとどまった。
PPI、全体は上昇一服もコアがしっかり。
――米7月CPIと米7月PPIと合わせ、インフレは低迷を継続中です。おかげで利上げ織り込み度は低下し、米債利回りを低下させ、ドル安を誘発。ゴールドマン・サックスは結果を受け、12月利上げの確率を従来の60%から55%へ低下させました。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーのうちハト派の筆頭であるミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁だけでなく、ダラス連銀のカプラン総裁まで利上げに慎重な姿勢を見せているだけに、12月利上げ期待が回復するには力強い経済指標が必要となります。果たして15日公表の米7月小売売上高は、低インフレをバネに伸びてくるのか。市場の熱い視線が注がれます。
(カバー写真:Duncan Rawlinson – Duncan.co – @thelastminute/Flickr)
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