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米10月中古住宅販売件数は2ヵ月連続で増加、新規購入者のシェアも改善

by • November 22, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off2060

Existing Home Sales Improves 2-Month In A Row With More New Buyers.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米10月中古住宅販売件数は年率548万件と、市場予想の540万件を上回った。前月の537万件(539万件)ら2.0%増加。9月に続き増加し、4ヵ月ぶりの高水準となる。10月の販売件数は前年比では0.9%減となり、約3年ぶりに2ヵ月連続で減少した。

内訳をみると一戸建てが487万件と、前月の477万件(修正値)を2.1%上回った。ヘッドラインと同じく、2ヵ月連続で増加している。複合住宅は1.7%増の61万件と、前月から増加に転じた

4大地域別では、全地域で増加し前月の2地域から増えた。今回はIT 企業が集まる西部が2.4%増の127万件と、2ヵ月連続でプラスに。中西部も0.8%増の131万件と3ヵ月連続で増加している。北東部は4.2%増の74万件、住宅市場の規模が最大で石油生産地で知られ、かつハリケーン被災地が集中する南部は1.9%増の216万件で、前月から増加に転じた。

在庫件数は前月比3.3%減の180万件と、3ヵ月連続で減少した。前年比では29ヵ月連続で減少。ただし、1999年以来での最低を更新していた2016年12月は165万件を上回る水準を維持している。販売が増加した一方で在庫が減少したため、在庫相当は前月まで5ヵ月連続で4.2ヵ月を経て、3.9ヵ月へ短縮している。販売日数は34日と、前月に並び過去6ヵ月間では最長。前年同月の41日からは短縮した流れを維持した。

中央価格は前年比で5.5%上昇の24.70万ドル。前月の5.3%を上回り、雇用統計の平均時給の伸び率を大幅に上回る水準を保つ。中央価格の前月比では0.2%下落し、4ヵ月連続でマイナスだった。なお6月は26.33万ドルで過去最高だった。

買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 3%=前月は3%、前年同月は3%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%=前月は1%、前年同月は1%
・新規購入者 32%、3ヵ月ぶりの水準を回復>前月は29%と2015年9月以来で最低、前年同月は33%
・現金購入者 20%=前月は20%、前年同月は22%
・住居用ではなく投資向け 13%<前月は15%、前年同期は13%

中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって増加。

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(作成:My Big Apple NY)

発表元であるNARのローレンス・ユン主席エコノミストは、今回の結果を受け「全米に広がる雇用増加が賃金を押し上げ、住宅購入に安心感を与えている」と振り返った。ハリケーンの影響が引き続き残るものの、「中古住宅販売は在庫不足により引き続き前年割れにとどまり、潜在的買い手の選択肢を狭めている」とも指摘した。

――中古住宅販売件数は2ヵ月連続で増加しただけでなく、新規購入の割合が改善しました。2015年12月から続くゆるやかな利上げサイクルにあるものの、銀行向け貸出基準はやや緩和寄りへシフトしており、住宅購入の買い意欲を支えたようです。さらに、中古住宅価格が高止まりしているとはいえ、前月比で下落している点も好材料。今後は在庫不足に加えハリケーンの反動で販売件数が鈍化する見通しなだけに、税制改革の成立が待たれます。

(カバー写真:Debbie Kirkland Realtor/Flickr)

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