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米7月ADP全国雇用者数は大幅増、採用予定数は大幅鈍化し明暗分かれる

by • August 3, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1933

Private Business Add 219K Jobs, While Hiring Plans Decrease.

7月のADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数をおさらいしていきます。 米7月ADP全国雇用者数は前月比21.9万人増となり、市場予想の18.6万人増を上回った。前月の18.1万人増(17.7万人増から上方修正)を超え、5ヵ月ぶりに20万人台に乗せている。サービス部門と財部門ともに好調だった。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。 ADP全国雇用者数、5ヵ月ぶりに20万人乗せ。 adp (作成:My Big Apple NY) セクター別では、サービス部門が17.7万人増と前月の15.3万人増(修正値)を上回り増加トレンドを維持した。内訳をみると、雇用統計と足並みをそろえ専門サービス(4.0万人増→4.7万人増)のほか、教育(前月の4.6万人増→4.8万人増)が引き続き牽引。娯楽(2.9万人増→3.7万人増)や貿易・輸送(2.3万人増→2.1万人増)も、堅調だった。 財部門(製造業、建設、鉱業)は4.2万人増と前月の2.8万人増(修正値)を上回り、8ヵ月連続で増加した。内訳をみると、建設(1.2万人増→1.7万人増)と4ヵ月連続で増加し、13ヵ月連続でプラスとなる。製造業(1.2万人増→2.3万人増)も、4ヵ月ぶりの高い伸びに。原油先物が2014年11月以来の高値を遂げたものの、鉱業(0.4万人増→0.3万人増)と7ヵ月連続で増加したなかで小幅な伸びにとどまった。 ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「減税と歳出増に支えられ労働市場は大幅拡大を続けている」と評価した。トランプ政権が追加関税措置を講じるものの「雇用に目に見えるような影響は与えていない」と指摘。ただし「ある多国籍企業は7月にリストラを発表しており、(関税が)脅威となる可能性を残す」と慎重に結んでいる。 ▽米7月チャレンジャー人員削減予定数は4ヵ月ぶりに減少、年初来で最低 米7月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比4.2%減の27,122人と4ヵ月ぶりに減少した。前月比でも27.1%減と前月から減少に反転。人員削減予定数自体は、年初来で最低を更新している。 発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「労働市場は完全雇用に近い状態で、調査対象の90%が採用中か、雇用を維持している状況」と説明する。追加関税措置の影響をめぐっては「鉄鋼のほか、関税対象として提案されている品目にどのような影響が加わるかは不透明」とし、「一部でパラパラと確認できるが、大幅削減という状態にはない」とまとめた。 jobcuts (作成:My Big Apple NY) 年初来では前年比6.7%増の272,301人となる。 人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。前月は1位が小売、2位が食品、3位がヘルスケア、4位がサービス、5位がコンピューター製品だった。 1位 消費財 3,793人(全体の14.0%) 2位 小売 2,697人(全体の9.9%) 3位 ヘルスケア 2,286人(全体の8.4%) 4位 輸送 2,187人(全体の8.1%) 5位 コンピューター製品 2,182人(全体の8.1%) 州別動向は、年初来で以下の通り。前月は1位がニュージャージー州、2位がカリフォルニア州、3位がテキサス州、4位がニューヨーク州、5位がオハイオ州となり、今回は1位と2位、4位と5位が入れ替わった。 1位 カリフォルニア州 43,898人(全体の16.2%) 2位 ニュージャージー州 38,839人(全体の14.3%) 3位 テキサス州 20,963人(全体の7.7%) 4位 ニューヨーク州 16,302人(全体の6.0%) 5位 オハイオ州 15,472人(全体の5.7%) リストラ実施の理由、単月のランキングは以下の通り。前月の1位はリストラ、2位が閉鎖、3位はコスト削減、4位はM&A、5位は契約切れとなる。 1位 リストラ 12,494人(全体の46.1%) 2位 閉鎖 8,743人(全体の32.2%) 3位 契約切れ 2,668人(全体の9.8%) 4位 M&A 1,524人(全体の5.6%) 5位 コスト削減 1,186人(全体の4.4%) 採用予定数は、前年同月比88.9%減の9,823人だった。5ヵ月連続で大幅減となる。労働市場が逼迫するなかで、雇用を確保したくともできない事情があるようだ。前月比では36.6%減と減少に反転した。セクター別では、以下の通り。前月は1位が小売,2位が産業財、3位が輸送、4位が通信、5位が消費財だった。 1位 航空 900人 2位 電気機器 775人 3位 産業財 679人 4位 自動車 561人 5位 娯楽・宿泊、メディア 500人 ――採用予定数は、前年を大幅に下回るペースが続きます。とはいえ、雇用統計のNFPは年初来で平均21.5万人増と、2017年の同17.1万人増を超える勢いを維持。採用予定数が先行指標であることを踏まえると、雇用の伸び鈍化は、少なくとも3~6ヵ月先となりそうです。 (カバー写真:NCDOTcommunications/Flickr)

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