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米8月NFIB中小企業楽観度、追加関税にもめげず過去最高

by • September 12, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2007

NFIB Small Business Optimism Hits Record High Amid Tariff Concerns.

米8月NFIB中小企業楽観度指数は108.8となり、市場予想の108を上回った。前月の107.9だけでなく1983年7月につけた108.0も超え、過去最高を更新している。トランプ政権は6月から鉄鋼・アルミ関税を欧州連合(EU)、カナダ、メキシコを盛り込み、7月と8月には対中知財関税措置の一部である340億ドルを発動。さらに中国には、2,000億ドルの追加関税対象リストを発表した。ただ7月の米欧首脳会談にて、貿易協議の進行中は新たな関税を導入しない方針で合意し、米中通商協議が再開した場面もあって、センチメントは再び上向いた。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のジュアニタ・ドゥガン最高経営責任者(CEO)は、「過去最高を記録した今回は、日頃からビジネスが急成長していると中小企業から聞かれる通りの結果」と振り返った。背景として、税制改正と規制緩和を挙げる。

NFIB中小企業楽観度指数、1983年7月につけた過去最高の更新。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は6~7月の10項目を経て、11項目へ増えた。内訳をみると、景気回復サイクルで初めて「黒字トレンドにある」がプラス圏を回復した。そのほかプラス項目は前月超えが優勢で「求人件数」をはじめ「事業拡大に良いタイミング」など、7項目と、前月の9項目を上回る。ただし、「経済がより良くなる」は前月から小幅ながら低下した。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」38%、過去最高>前月は37%、6ヵ月平均は36%
「経済がより良くなる」34%<前月は35%、6ヵ月平均は34%
「事業拡大に良いタイミング」34%>前月は32%、6ヵ月平均は31%
「設備投資を拡大した」33%、2006年7月以来で最高>前月は30%、6ヵ月平均は30%
「賃金引き上げ」32%=前月は32%、6ヵ月平均は33%
「採用見通し」26%>前月は23%、6ヵ月平均は21%

「売上拡大見通し」26<前月は29%、6ヵ月平均は26%
「賃上げ見通し」21%>前月は20%、6ヵ月平均は21%
「販売価格の引き上げ」17%>前月は16%、6ヵ月平均は16%
「在庫を増加させる」10%>前月は4%、6ヵ月平均は4%
「黒字トレンドにある」1%>前月は−1%、6ヵ月平均は−1%

「在庫満足度」−3%=−3%、6ヵ月平均は−3%
「信用状況が緩和する」−6%<前月は−4%、6ヵ月平均は−5%

――GDPの6割を担うとされる中小企業のセンチメントは過去最高を更新し、貿易戦争をめぐる景気減速などには目もくれていないようです。米4~6月期実質GDP成長率・改定値の4%超えが奏功したのでしょうか。NFIBの項目にある不確実性の項目も74%と、米大統領選を予定した2016年11月の100を下回っていました。「経済がより良くなる」との回答が前月を下回ったとはいえ、高止まりを続けており、中小企業の景況感はこの世の春を迎えています。

(カバー写真:Big TIger/Flickr)

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