Back To School Sale And Prime Day Push Personal Spending In July.
米7月個人消費支出は前月比0.6％増と、市場予想の0.5％増を上回った。前月の0.3％増を超え、5ヵ月連続で増加した。前年比では4.1％増となり、5ヵ月連続で4％台の伸びを維持。インフレを除く実質ベースでの個人消費は市場予想通り0.4％増となり、5ヵ月連続で増加した。前年比では6月と同じく2.7％増となり、2018年の平均値である3.0％以下が続く。
個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米7月新車販売台数が1,700万台を割り込んだものの、プライムデーが奏功したのか耐久財が好調、非耐久財もガソリン価格が下げ止まるなか前月に続き増加。サービスも熱波を受け公益が支え、底堅かった。
・モノ 0.925％増、前月の0.343％増を上回り5ヵ月連続で増加
＞耐久財 0.638％増、前月の0.438％増を上回り3ヵ月連続で増加
＞非耐久財 1.072％増、前月は0.298％増を上回り5ヵ月連続で増加
・サービス 0.511％増、前月の0.347％増を上回り増加基調を維持
個人所得は前月比0.1％増と、市場予想の0.3％増を下回った。とはいえ、10ヵ月連続で増加している。前年比では4.6％増と、4ヵ月ぶりの低い伸びだった。実質ベースでは前月比0.1％減と、10ヵ月ぶりに減少。前年比は3.2％増と、6ヵ月ぶりの低い伸びにとどまった。
可処分所得は前月比0.3％増となり6ヵ月連続で増加した。前年比は4.5％増と、2017年4月以来の低い伸びだった。実質ベースの可処分所得は前月比0.1％増と10ヵ月連続で増加した。前年比は3.0％増と、2017年7月以来の低い伸びに並んだ。貯蓄率は7.7％と5～6月の8.0％を下回り、2018年11月以来の8％割れを迎えた。
個人消費支出の伸びが所得を下回り、貯蓄率は高水準を維持。
（作成：My Big Apple NY）
所得の内訳は、前月比で以下の通り。
・賃金／所得 0.2％増、前月の0.5％増を下回るも8ヵ月連続で増加（民間が0.2％増、サービス部門が0.2％減、財部門（製造業、鉱業、建設）は横ばい）
・不動産収入 0.5％増、前月の0.3％増を含め4ヵ月連続で増加（農場が2.6％減と4ヵ月ぶりに減少、非農場は0.6％増と5ヵ月連続で増加）
・家賃収入 0.4％増、前月の0.6％増を含め7ヵ月連続で増加
・資産収入 0.8％減、前月の0.2％増を下回り6ヵ月ぶりに減少（配当が0.6％増と増加に転じた半面、金利収入は1.8％減と5ヵ月ぶりに減少）
・社会補助 0.4％増、前月の0.6％増を下回り8ヵ月連続で増加
・社会福祉 0.4％増、前月の0.6％増を下回り7ヵ月連続で増加（メディケア＝高所得者向け医療保険は0.7％増と増加基調を維持、メディケイド＝低所得者層向け医療保険は1.2％増と8ヵ月連続で増加、失業保険は1.1％減と3ヵ月ぶりに減少、退役軍人向けは0.1％増と増加基調を維持、その他は0.4％減と前月から反転）
個人消費支出（PCE）デフレーターは原油価格が50ドル台で推移するなか、前月比0.2％上昇し市場予想と一致した。前年比は5～6月に続き1.4％上昇し市場予想と一致したが、年初来から続く1％半ばのレンジにとどまった。2012年3月以来の高い伸びを示した2018年7月の2.4％から遠のいたままだ。コアPCEデフレーターは前月比0.2％上昇し、市場予想と一致し4ヵ月連続で同じ伸びとなる。コアPCEの前年比は4～6月に続き1.6％上昇し市場予想とも一致しつつ、年初来から続くFOMCのインフレ目標値（2％）以下を維持した。
PCEコアは7ヵ月連続でFOMCの目標値以下に。
（作成：My Big Apple NY）
――7月は個人消費の伸びが個人所得を上回り、7月の新学期商戦やプライムデーを受け、消費者が財布の紐をゆるめた様子が伺えます。貯蓄率は2017年11月以来となる8％割れとなりましたが、それでも過去の水準と比較すると高止まりの状況。こちらで示したようにプライムデー後の反動減が予想されるとはいえ、8月も底堅さを示すのでしょう。問題は、企業支出の鈍化が労働市場を経由して、個人消費に波及するのか。米8月ISM製造業景況指数はヘッドラインが分岐点を割り込んだだけでなく、雇用や新規輸出受注まで50を下回っただけに、一時的な下振れか見極めが必要です。
（カバー写真：DoDEA/Flickr）
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