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米3月ISM製造業は分岐点割れ、新規受注と雇用は11年ぶりの落ち込み

by • April 2, 2020 • Finance, Latest NewsComments Off1875

ISM Manufacturing Index Falls Below 50, New Orders And Employment Plummet To 11-Year Low.

米3月ISM製造業景況指数、米3月マークイット製造業PMI確報値、各連銀の製造業景況感指数、米2月建設支出をおさらいしていきます。

米3月ISM製造業景況指数はと49.1と、市場予想の44.5を下回った。前月の50.1に届かず、3ヵ月ぶりに分岐点を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、中国からの部品調達が困難となったほか需要が冷え込み、今後はさらに落ち込む見通しだ。

内訳をみると、新規受注と雇用が急低下し、それぞれ約11年ぶりの水準へ沈んだ。仕入れ価格も、40を割り込む急落に。一方で、引き続き新型コロナウイルスの影響でサプライチェーンが混乱をきたす状況を反映し、入荷遅延が前月から約8ポイント上昇した。受注残は逆に分岐点割れへ戻した。詳細は、以下の通り。

・生産 47.7、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は50.3、6ヵ月平均は48.6
・新規受注 42.2、約11年ぶり低水準、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月は49.8、6ヵ月平均は47.9
・雇用 43.6、約11年ぶり低水準、8ヵ月連続で分岐点割れ<前月は46.9、6ヵ月平均は46.2

・在庫 46.9、分岐点割れを維持>前月は46.5、6ヵ月平均は48.0
・新規輸出受注 46.6、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は51.2、6ヵ月平均は49.5
・仕入れ価格 37.4、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月は45.9、6ヵ月平均は46.8

・入荷遅延 65.0>前月は57.3、6ヵ月平均は54.9
・受注残 45.9<前月は50.3、6ヵ月平均は45.4

ISMのティモシー・フィオーレ会長は、結果を受け「回答者からのコメントは短期見通しに悲観的で、明らかに新型コロナウイルスの感染拡大とエネルギー市場のボラティリティに反応している」との見方を寄せた。また「仕入れ価格の急低下も、ネガティブな見通しを表す」と指摘。弱さが著しかった業種は、エネルギー価格の下落が重石となった石油・石炭製品と輸送機器で、逆に「エネルギー価格や原料費の恩恵を受けた食品・飲料、製薬が関わる化学も寄与した」という。

今回、18業種別でビジネス拡大を報告したのは10業種(印刷関連、食品・飲料、服飾、木材、紙製品、化学、コンピュータ・電子部品、一次金属、付属品、プラスチック・ゴム製品)となった。前月の14業種を上回る。逆に、縮小を報告した業種は6業種(石油・石炭、繊維、輸送機器、家具、組立金属、機械)となり、前月の3業種から増加。2業種は横ばいだった。

ISM製造業景況指数、マークイットPMIともに分岐点割れ。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米3月IHSマークイット製造業PMI・確報値、生産や雇用が約11年ぶり低水準

米3月IHSマークイット製造業PMI確報値は48.5と、市場予想の44.5を上回った。しかし速報値の49.2より弱く前月の50.1にも届かず、2009年8月以来の落ち込みをみせた。内訳をみると、新規受注や雇用が約10年ぶりの水準へ沈み、信頼感も大幅に落ち込んだ。

クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「多くの企業が工場閉鎖や在宅勤務を決定し、企業活動は壊滅的な打撃を受けている」と振り返った。足元で受注や出荷が活発な業種は「食品やヘルスケアに限り、少数派」とも指摘。また「資本財の受注は2009年以来で最低で企業は仕入れを抑制しており、また家計の高額支出減退や輸出減速を見込んでいる」ため、設備投資の落ち込みが著しいと分析した。しばらく底打ちは困難との認識を寄せ、失業率の「急上昇」を予想する。

――今回、ISM製造業景況指数とマークイットPMIはそれぞれ分岐点を割り込みました。新規受注や雇用、さらに需要低下を反映し仕入れ価格も急低下しており、新型コロナウイルス感染拡大の爪痕の深さを物語ります。ただ、例えばGMやフォードなどの北米での工場閉鎖は3月18日になってからだったように、感染拡大を受けて対応した企業の動向を完全に反映していない可能性も。米3月ADP全国雇用者数で判明したように、実体経済の落ち込みを確認するのは、4月以降になりそうです。

▽米2月建設支出、住宅と非住宅共に弱く予想外に減少

米2月建設支出は前月比1.3%減の年率1兆3,670億ドルとなり、市場予想の0.6%増に反する結果となった。前月の2.8%増(1.8%増から上方修正)より弱く、8ヵ月ぶりに減少に転じた。前年比では6.0%増と5ヵ月連続でプラスとなったが、米3月ADP全国雇用者数で建設の雇用者が落ち込んだように、今後は人手不足に加え新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出禁止令などを受けて大幅減となる見通しだ。

内訳をみると、住宅が前月比0.6%減と8ヵ月ぶりに減少した。非住宅も1.8%減と再び減少に反転。前年比では住宅が11.4%増と5ヵ月連続し、非住宅も2.5%増と、2018年2月以降のプラスを維持した。

直近では前年比プラス圏を維持も、今後は大幅マイナスへ転じる見通し。

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(作成:My Big Apple NY)

(カバー写真:GM/Flickr)

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