ISM Manufacturing Index Continue To Rise, New Orders Hit Highest Since 2004.
米8 月ISM製造業景況指数、米8月マークイット製造業PMI確報値をおさらいしていきます。
米8月ISM製造業景況指数はと56.0と、市場予想の54.8を上回った。感染者の増加にブレーキが掛かるなか前月の54.2を超えコロナ禍からV字回復しただけでなく、2018年11月以来の高水準となる。
内訳をみると、生産や新規受注は3ヵ月連続で分岐点を上回っただけでなく、新規受注に至っては2004年1月以来の水準へ上振れした。仕入れ価格も、3ヵ月連続で分岐点に乗せている。雇用も回復を続けたが、分岐点割れを保った。詳細は、以下の通り。
・生産 63.3、2018年1月以来の高水準で3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は62.1、6ヵ月平均は48.5
・新規受注 67.6、2004年1月以来の高水準で3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は61.5、6ヵ月平均は47.8
・雇用 46.4、13ヵ月連続で分岐点割れ>前月は44.3、6ヵ月平均は39.4
・在庫 44.0、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月は47.0、6ヵ月平均は48.2
・新規輸出受注 53.5、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は50.4、6ヵ月平均は45.5
・仕入れ価格 59.5、2018年11月以来の高水準>前月は53.2、6ヵ月平均は46.3
・入荷遅延 55.8>前月は56.9、6ヵ月平均は63.2
・受注残 51.8>前月は45.3、6ヵ月平均は44.9
ISMのティモシー・フィオーレ会長は、結果を受け「需要と消費が製造業活動の拡大をけん引し、仕入れ価格の上昇は中短期的なサプライチェーンの途絶の緩和を表す」と振り返った。ただ「足元の経済環境を受け、年内の設備投資を中断する企業が多い」と慎重な見方も寄せた。セクター別では「引き続き食品飲料・タバコが好調だったほか化学、コンピュータ・電子機器、組み立て金属が特に拡大した」半面、「石油・石炭が縮小に転じた」という。
今回、18業種別でビジネス拡大を報告したのは15業種で、前月の13業種を上回った。業種は木材、プラスチック・ゴム製品、食品・飲料・タバコ、繊維、化学、コンピュータ・電子機器、一次金属、組み立て金属、機械、服飾・革製品、非金属鉱産物、雑貨、電気機器・電気部品、紙製品、輸送機器となった。逆に、縮小を報告した業種は3業種(印刷関連、石油・石炭、家具)だった。
チャート:ISM製造業景況指数、マークイットPMIともにV字回復を果たす。
▽米8月IHSマークイット製造業PMI・確報値、2019年1月以来の高水準
米8月IHSマークイット製造業PMI確報値は53.1と、市場予想並びに速報値の53.6に届かなかった。しかし前月の50.9を超え、2019年1月以来の高水準だった。特に新規受注が約5年ぶりの高水準だったほか、雇用は2019年11月以来のレベルを上昇。仕入れ価格は2019年初め以来の水準へ上向いた。
クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「製造業は8月に一段と回復を強め、7~9月期に生産活動が大きく回復する可能性を示す」と楽観的な見方を寄せた。さらに「新規受注の著しい改善は心強く、生産の伸びを上回り稼働が追い付かない状況で、受注残の積み増しにつながっている」と指摘。新規受注の改善は「海外の需要改善が大きいが、中小企業では新規輸出や受注が弱くまだもようとなっている」とも付け加えた。
――今回、ISM製造業景況指数とマークイットPMIは、前月同様にそろって分岐点に乗せました。何より、新規受注や生産の勢いは目を見張るものがあり、ISMで新規受注は2004年1月以降で最高、生産は2018年1月以来、そしてマークイットでも新規受注は約5年ぶりの高水準でした。雇用が分岐点割れで推移しているのは気掛かりながら、生産活動が回復を続けているのは心強いサインです。
(カバー写真:MPCA Photos/Flickr)
Comments
米8月ADP全国雇用者数は堅調、採用予定数は5カ月ぶりの快挙達成 Next Post:
米8月雇用統計・NFP、国勢調査の臨時雇用が押し上げ予想超え