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米7~9月期実質GDP速報値、経済活動再開受け個人消費が牽引し急回復

by • October 30, 2020 • Finance, Latest NewsComments Off2236

U.S. Economy Rebounds In Q3, Driven by Personal Spending.

7〜9月期実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率33.1%増と、市場予想の32.0%増を上回った。前期の31.4%減から回復しマイナス成長を2期で止めただけでなく、過去最大の伸びを記録している。前年比では2.9%減と前期の9.0%減を含め、金融危機以来で初めて2期連続のマイナスとなった。

米経済の寄与度は、項目別に以下の通り。GDPの約7割を占める個人消費が最もプラスに寄与した。

・個人消費 25.3%pt、3期ぶりにプラス>前期はマイナス24.0%pt
・民間支出 11.6%pt、4期ぶりにプラス>前期はマイナス8.8%pt
・純輸出 3.1%ptのマイナス、5期ぶり<前期は0.62%pt
・政府支出 0.7%pt、7期ぶりにマイナス<前期は0.8%pt

チャート:Q3実質GDP成長率・速報値、前期のマイナスを完全に相殺するV字回復

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(作成:My Big Apple NY)

チャート:金額ベースでは、コロナ以前の水準に届かず

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(作成:My Big Apple NY)

▽個人消費の内訳

・個人消費 40.7%増、3期ぶりに拡大し戦後最大<前期は33.2%減と戦後最悪
・耐久財 82.2%増、3期ぶりに拡大し戦後最大>前期は1.7%減
・非耐久財 28.8%増、戦後最大>前期は15.0%減と戦後最悪
・サービス 38.4%増、3期ぶりに拡大し過去最大<前期は41.4%減と戦後最悪

▽民間投資の内訳

・民間投資 83.0%増、4期ぶりに拡大し戦後最大>前期は46.6%減と戦後最悪
・固定投資 28.5%増、3期ぶりに拡大し戦後最大<前期は29.2%減と戦後最悪
・非住宅固定投資(企業の設備投資) 20.3%増、4期ぶりに増加<前期は27.2%減と2009年1~3月期以来で最悪
構築物投資 14.6%増、4期連続で減少<前期は33.6%減と戦後最悪
機器投資 70.1%増、6期ぶりに拡大>前期は35.9%減と2008年10~12月期以来の落ち込み
無形資産 1.0%減、2期連続で減少<前期は11.4%減と戦後最悪
・住宅投資 59.3%増、戦後最高>前期は35.6%減
・在庫投資 2,861億ドルの増加、4期ぶりにプラス>前期は2,061億ドルの減少

チャート:国内の最終需要(変動が大きい貿易と在庫を除く)は前期比年率25.5%増と3期ぶりにプラス

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(作成:My Big Apple NY)

▽政府支出

・政府支出 4.5%減、7期ぶりに減少<前期は2.5%増、2017年10~12月期以来の高水準
連邦政府 6.2%減(防衛支出が3.0%増、非防衛財は18.1%減)>前期は2.5%増
州/地方政府 3.3%減、2期連続で減少<前期は5.4%増

GDP価格指数は3.6%上昇し、前期の1.8%の低下から急回復した。コアPCEは3.5%上昇、前期の0.8%の低下からプラスに反転した。

――Q3実質GDP成長率は、市場予想を上回る回復を遂げました。個人消費のうち自動車販売や住宅関連が好調だったほか、食品・飲料なども支えています。民間支出も回復した半面、構築物投資が4期連続でマイナスとなったほか、政府支出も追加経済対策協議が難航するなかで失業保険拡充などが7月末に切れたため、減少。足元でコロナ感染者数が最多を更新し需要だけでなく供給側への懸念がくすぶるなか、追加経済対策の成立が待たれます。ただ、バイデン候補が勝利すれば年内の可決が困難となる半面、民主党が上下院で過半数を獲得すれば年明けに大判振る舞いの支援策が発表されそうです。

(カバー写真:Gerry Popplestone/Flickr)

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