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ジョージア州上院決戦投票、民主党候補のリードがやや拡大

by • January 4, 2021 • Latest News, NY TipsComments Off2773

The Latest Georgia Senate Runoff Poll Shows Democrat Candidates Widen The Lead A Bit.

新年早々、イベント盛りだくさんですね。

5日 ジョージア州上院決戦投票
6日 両院合同会議にて選挙人投票の集計実施
8日 米11月雇用統計

このうち、当ブログで何度も重要性を指摘させて頂いたのが5日のジョージア州上院決戦投票です。

現在の世論調査動向をみてみると、ご覧の通り。民主党のオソフ候補やワーノック候補の支持率が、共和党の現職であるパーデュー議員やロフラー議員を引き続き上回りリードがやや広がっています。

チャート:民主党のオソフ氏の支持率が50.4%に対し、共和党のパーデュー氏は47.2%

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チャート:民主党のワーノック氏の支持率が50.6%に対し、共和党のパーデュー氏は47.0%

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(作成:My Big Apple NY)

米上下院が12月21日に駆け込みで通過させた9,000億ドルの追加経済対策のうち、個人への直接給付金が結局2,000ドルへ引き上げられなかったことが、影響している可能性があります。トランプ大統領が600ドルからの引き上げを提案し、米下院が12月28日に差し替えの法案を275対134で可決したものの、米上院では年末の期限切れを受け討議終了に。共和党のマコーネル院内総務が12月30日、民主党のシューマー上院院内総務による動議を阻止したためです。

ジョージア州の貧困率は2019年時点で13.3%とワースト15位と決して低くないだけに(全米は12.3%)、目の前に2,000ドル引き上げが夢と消えれば、共和党候補がいくらトランプ支持派で2,000ドルに賛成だったとしても、土壇場で印象が変わる場合もあるでしょう。

2人の共和党候補はトランプ支持者の票を集めるべく、奔走しています。例えば2,000ドルへの給付金引き上げ案を支持し、トランプ大統領が拒否権を行使した2021年度(20年10月~21年9月末)国防予算の大枠を決めるの国防権法への投票も見送ったものです。加えて、アトランタ・ブレーブスの名称撤回に反対(同チームは、大リーグのクリーブランド・インディアンズやNFLのワシントン・レッドスキンズのように人種差別問題に配慮し変更を検討)を表明しており保守派層の支持は固いでしょう。

ちなみに共和党保守派のホーリー上院議員(ミズーリ州)の他、米上下院議員11人が1月6日の選挙人集計でバイデン氏の勝利に異議を唱える方針を表明済みですが、特別選挙の決戦投票を迎え、まだ上院議員の立場にあるロフラー氏は態度を保留しています。逆に、パーデュー氏は2021年1月3日で任期切れを迎えているため、ロフラー氏のように踏み絵の状態にありません。

ジョージア州での新型コロナウイルス感染者数が7日平均で過去最多を更新するなか、今回の決戦投票でも大統領選のごとく、郵便投票が明暗を分ける公算が大きい。郵便投票の申請者は1月3日時点で137.4万人と、大統領選時での178.3万人に届かずとも、高水準を維持。仮に大統領選と同程度の割合となれば、約100万人が投票が郵便投票を実施する見通しです。大統領選時の票差はバイデン候補が84万8,726票に対し、トランプ氏は45万522票と、大統領選の結果全体の1万2,670票(0.2ポイント差)より大きく開いていただけに、これまでの決戦投票の戦績で有利な共和党側は、安穏としていられません。

ちなみに、郵便含めた期日前投票は1月3日時点で303.4万人で、有権者登録者数の39.2%を占めます。大統領選では401.3万人、同57.3%でした。支持率の底上げにもつながり、今回も歴史に残る激戦と夏に違いありません。

仮に民主党候補が2議席を確保すれば、1期目で大統領と上下院全てで民主党で占めブルーウェーブが達成されます。そうなると、経験則として米株相場には有利です。以下をご覧下さい。

チャート:戦後の民主党大統領1期目、ブルーウェーブを追い風に平均上昇率は10.3%なのですよ。

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(作成:My Big Apple NY)

ただし、こちらで指摘したようにS&P500が3年連続での2桁高を達成したのは1928年以降で5回しかありません。また、バイデン新政権下で民主党議会が上下院で多数派を握れば、格差問題に集中する公算が大きい。財政赤字がGDP比で15%と過去最悪の状況下で財政拡大余地は狭く、税制改正法の撤回、即ち増税が視野に入ります。

もちろん、コロナ禍において景気回復を柱とするため、法人税を21%から28%へ引き上げるような大幅な増税は回避するでしょう。しかし、キャピタルゲイン税の引き上げや40万ドル以上の富裕層への増税などが予想されます。こうした見方からジョージア州の決戦投票結果を受け、過去最高値を更新したばかりの米株相場で、利益確定に振れてもおかしくありません。

特に2014年以降でS&P500は1月に4回下落、そのうち3回は10%以上も落ち込んでいました

チャート:1月に下振れした際の下落率
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さて、今年はどんな1月になるでしょうか。ひとまず、ジョージア州上院決戦投票の決着が早々につくことが望まれます。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr, John Ramspott/Flickr)

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