ニューヨークは確かに、財政難をくぐり抜けるため、あらゆる階層から税金を絞り取ろうとしています。まるで、ピンプが娼婦から巻き上げられるだけお金を巻き上げようとするかのように・・・娼婦は身体がボロボロになっても、働かなければ生活できず、結局ピンプお金を渡すしかないという、恐怖の悪循環ですな。大げさに聞こえるかもしれませんが、消費税が8.875%、おまけに所得税から何やらで、所得から税金を3割以上もごっそりもっていかれると、ブルーを通り越して毎月土色になりますよ・・・。
そんなNYでも、いいところがあります。
金曜に仕事を終えて帰ろうかと席を立ち上がって見回すと、ちょうど傭兵軍団のうちのロシア人も帰り仕度をしていたので、声を掛けると当然ながら一緒に帰ることに。最近よくお出掛けに誘ってくれる彼、今回も「So do you wanna come to the concert?」と聞いてくるではありませんか。はてな?と首をかしげていると、ブルックリンはプロスペクト・パークにて、NYフィルハーモニックの無料野外コンサートが行われる日だったんです。ちょうど個人的にダウンな出来事が立て続けで起こり、夜遊びする気分がなえていたので、普段ならお断りするブルックリンの夕べに、つい首を縦に振ってしまいました。
↓言うまでもなく1842年に設立された、米国で最も古い歴史を誇ります。
午後7時半に出掛けようと思ったものの、電話と口論に捕まりなかなか出られず、家を出たときにはすでにコンサートが始まる時間になっていました。あわてて飛びだし2、3番線に乗って目指すはGrand Army Plaza。到着したときには午後8時45分を過ぎていました。
プロスぺクト・パークに到着して、人の流れについて行くものの・・全然オーケストラの音が聞こえません!!セントラル・パークの設計者であるFrederick Law Olmsted とCalvert Vauxと同じなだけに、広さでは劣るものの前者より無駄な作りがないように映ります。ただ延々と続く小道はどこへ導くのか、皆目見当がつきません。
↓凱旋門のごとき、アーチが目印。
10分ほどたって、ロシア人の友人から「Where are you?」とTextが届くものの、残念ながら自分がどのあたりにいるかも伝えられず。心細くも一人ぼっちでテクテク歩きながら、ようやくオーケストラの調べが聞こえてきて、ホッと一息です。
ステージの裏側を通って、彼らがいるであろう場所へ到着するも、夜の帳が降りた公園では、なかなか見つけられず。もちろん1000人以上もの人が思い思いにシートを敷いて音楽を聴いているので、顔の分別もつきづらくって。何度となくTextで連絡し合って彼に見つけてもらう間に、ロシア人グル―プの彼らが持って来ていたワインは空になっておりました。
↓チーズはなくても、各種チーズを頬張りながら堪能します。
↓ま、これも税金で賄われてるんでしょうが、いいんですよ。パンはないので、せめてオーケストラくらい。
去年はモーツァルトなどウィーン古典派を演奏したようですが、今回はロマン派の師チャイコフスキーと、後期のプロコフィエフなどが取り上げられておりました。といっても、特にロシア系の著名な作曲家の作品だから集まったというわけでもなく、彼らの毎年の恒例行事だとか。
公園に設置されたステージはあっさりしたもので、またスピーカーも大仰なものではなく広い広い公園では音が拡散してしまい、迫力ある旋律に胸を躍らせることはできませんが、それでも静かに胸に響いてきます。夜空に浮かぶ星空、宙に舞う蛍と合わせ、幻想的な空気を醸し出していたのは、言うまでもありません。
クライマックスに飛び出した花火が、また興奮をあおってくれました・・・。落ち込んでいた私の気持ちを晴らしてくれるのに、演奏も演出も十分な野外コンサートでございました。
↓小ぶりながら、花火を鑑賞して夏を全身で感じることができました。
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