不景気の産物?米国人の飲酒率は1985年以来で最高に

by • August 6, 2010 • NY TipsComments (0)1259

景気回復の足取りが途絶えつつある懸念が浮上し、WSJ紙でも 米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和追加策を検討するとの報道が流れれた今日この頃。こんなお話が飛び出しました。

世論調査会社ギャラップによると米国における飲酒率は67%へ上昇し、1985年以来で最高を記録したんです。1985年と言えば、ドル高にあえぐ米国の呼びかけでプラザ合意が成立した年。また、インフレ退治に伴う大幅利上げの余波と貯蓄貸付組合(S&L)破綻問題で米経済が揺れていた時期にあたります。

↓1979年から3年にわたり、大幅利上げという劇薬でインフレ退治を行ったボルカー元FRB議長。まさか経済回復諮問委員会委員長としてワシントンにカムバックするとは・・・。
My Big Apple

過去最高を記録した時期は1978年。71%に達したんですって!!当時は年初からイランのホメイニ師が主導したイラン革命が勃発し、第2次石油危機の礎が築かれていたときでした。

こうして振り返ると、米景気と飲酒率が比例しているように見えますね。実際、1985年と2010年だけで言うと、もうひとつ合致している点があるのですよ。それが緊急失業保険の始動。緊急失業保険の歴史を紐解いてみると、以下の通りになってるんです(出所:WSJ紙)

1982年後半-1985年半ば
◆高インフレ抑制の大幅利上げ、S&L問題
有効期間:33カ月間
失業率のピーク:10.8%
終了時点の失業率:7.4%
1991年後半-1994年前半
◆S&L危機、湾岸戦争
有効期間:29カ月間
失業率のピーク:7.8%
終了時点の失業率:6.4%
2002年前半-2004年前半
◆ITバブル崩壊
有効期間:25カ月間
失業率のピーク:6.3%
終了時点の失業率:5.6%
2008年半ば-2010年6月2日でいったん期限切れも延長へ
◆サブプライム問題発の金融危機
有効期間:22カ月間(延長が可決すれば11月までとなり、28カ月間へ)
失業率のピーク:10.1%
最新の失業率:6月は9.5%、5月は9.7%

逆に飲酒率が最低だったときは、1990年。景気回復段階にあった当時は、56%まで低下していたそうです。その翌年には、結局S&L危機が再燃して景気悪化に見舞われましたけどね・・・。

2010年に話を戻しましょう。今年の調査で明らかになった米国人のアルコール嗜好は、フライド・チキンをかぶりついてスポーツ番組を眺めるイメージ通り、やっぱりビールで41%でした。次いでワインが32%、リキュールが21%と続きます。

↓ワイン通も、ここしばらくの間でずい分増えましたぁ~。

My Big Apple

米国の飲酒率が25年ぶりの高水準になったとはいえ、別の調査 によると米国人のアルコール消費ってそんな高くないんです。2009年の世界別1人当たりアルコール消費量では、1位がウガンダで19.47リットル、2位がルクセンブルクで17.54%、3位にチェコの16.21%となってまして。米国はというと、43位なんですよ。だからといって、飲酒を奨励するわけではありませんが・・・。お騒がせ若手女優リンジー・ローハンの飲酒運転にまつわる逮捕沙汰なんて、あくまでセレブだから??

↓近所の酒屋さん。雨天には家飲み需要が高まるため、ご覧の列ができました。

My Big Apple

ちなみに今回の調査は、7月8日から7月18日の間で取られており、とーれとれぴーちぴちカニ料理~♪ (関西限定のジョークですいません)でした。

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