商務省が発表した2009年の米個人所得。経済分析局のリリースによると、疑問の余地のない結果となりました。
2009年と言えば、2008年9月にリーマン・ショックが米国を直撃した後遺症を引きずる年。所得をみると、55大都市別(人口100万人超の都市)でなんと52都市が前年比で所得減少を記録しました。わずか3都市のみで上昇したに過ぎません。
では、景気のド底にあって、所得の増加を達成できた都市はどこでしょうか?
正解は
ヴァージニア・ビーチ(ヴァージニア州)
サンアントニオ(テキサス州)
そして
ワシントンD.Cです!!!
米国通の方はひと目みればお分かりでしょう。そうです。すべて政府・軍関係の拠点であるのですよ。ワシントンD.C.は連邦政府の心臓部であることは言わずもがな。一方でヴァージニア・ビーチには世界最大の海軍基地から空軍基地など軍事基地が密集しておりますよね。テキサス州サンアントニオも、米独立軍がメキシコ軍と戦った場所で知られる、軍事的な要。というわけで、こちらも軍事基地が集中する都市だから、上位に食い込んだというわけです。言い返れば、民間職の所得は減少が圧倒的に減少したということですね。
↓D.C.のリンカーンさん、どんな気持ちでこの結果をご覧になっていることでしょう。
政府の所得は実に2.6%増加していただけに、納得の結果です。民間の所得が6.0%も急減したことを踏まえると、日本のように公務員志望が増えたりして。ただし、米政府は地方政府レベルから赤字削減に追い込まれているので、解雇も弾力的に実施されますよ。
ピッツバーグ(ペンシルバニア州)やボルティモア(メリーランド州)でも、所得の増加がみられた分野がありました・・・・と言っても、緊急失業保険給付を通じた、連邦政府が支援する失業保険の給付によってです。
1人当たりの所得が減少した大都市はというと。
12位 ロサンジェルス(カリフォルニア州) ‐3.8%
11位 マイアミ(フロリダ州) ‐3.9%
10位 ミネアポリス(ミネソタ州) ‐4.0%
9位 ニューオーリンズ(ルイジアナ州) ‐4.5%
7位 ニューヨーク(ニューヨーク州) ‐4.6%
7位 サンフランシスコ(カリフォルニア州) ‐4.6%
6位 サンホセ(カリフォルニア州) ‐4.6%
5位 ラスベガス(ネバダ州) ‐6.2%
4位 レノ(ネバダ州) ‐6.3%
3位 ノーウォーク(コネティカット州) ‐6.8%
2位 ナプレス(フロリダ州) ‐8.0%
1位 ミッドランド(テキサス州) ‐8.4%
住宅市場の打撃を受けたカリフォルニア州とフロリダ州の都市が複数ランクインし、リーマン・ショックの震源地ニューヨークも顔をそろえていました。サブプライム問題→金融危機→景気後退→信用収縮という大嵐が残した負の遺産の大きさに、今さらながら気づかされます。
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