デビッド・フィンチャー監督作品の「The Social Network 」、大方の予想通り前週末に2245万ドルを叩き出し、楽々と米映画興行成績トップに上り詰めました。ご存知Facebookの創立者マーク・ザッカーバーグを描いドキュメンタリータッチのフィクションです。評判は上々で、主要キャラを務めたジャスティン・ティンバーレイクにはオスカーの声があがるほど。私はまだ観ていませんが、落ち着いたころに映画館に出かけてみようと考えています。
↓さすが鬼才、フィンチャー監督。上映第1週の週末ですでに製作費の約半分を稼ぎ出しました。
Facebookをテーマとした映画がもてはやされる陰で、NYではある事件 が発生していました。しかも、Facebookというネットワーク・ツールが悲劇を告げる媒体となったのです。
前週、NYのトップ・ニュースはジョージ・ワシントン・ブリッジから飛び降りた18歳の少年でした。少年は飛び降りる前、Facebookに「Jumping off the gw bridge sorry」と書き残し、大学という新たな人生の扉を開けたその年に、短い命を絶ったのです。
ロードアイランドにある大学生だった彼は、ルームメイトと寮生活を営むバイオリンを愛する青年だったと言います。彼を死に追いやったのは何か。実は彼、ルームメイトとその友人に性的交渉の一部始終を部屋で盗撮された挙句、Webで知らぬ間にストリーミングされてしまったのです。しかも彼の相手は、男性でした。ゲイ差別は今、ネットワーキング・サイトとハイテク技術によって、さらに悪辣さを増しているのです。
↓かつて映画アメリカン・パイなどで、Webカメラを通じた異性交遊が話題になりました。
ゲイ差別が、ティーンネージャーの間でどのようにはびこっているかを露呈したこの事件。カリフォルニア州で同性婚が違法とされた判決が8月に覆されてから、わずか1カ月後に発生すると、誰が想像したでしょうか。HBOの報道討論番組リアルタイム・ウィズ・ビル・マーの司会者ビルも、ティーンネージャーの間では同性愛者恐怖症は教育や啓発運動のおかげで姿を消しつつあるかにみえたのに、と嘆きます。
もちろん番組ではビル、コンピューターを駆使した新たな「イジメ」の手法にも、危険信号を送っていました。ちなみに英語ではこうしたサイバー的なイジメを
・Cyber-bullying
・Electronic bullying
・Digital harassment
と呼びます。
盗撮したルームメイトは、故意にTwitterで性交渉の模様をブロードキャストしたことを明かし、サイトにアクセスするよう呼びかけたと言います。その週に、被害者はラップトップを車に残して、ハドソン川へ身を投じました。
FacebookやTwitterというツールが悪いとは思いません。要は、いかにこうした手段を利用するか。彼の犠牲を無に帰すことなく、ネットワーキング・ツールの適切な利用法とプライバシーの守り方を学んでいければと切に願わずにいられません。
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