NY連銀のWebサイトに、アメコミを連想させる漫画が更新された。平易な文章と分かりやすい絵で、金融政策における米連邦準備制度理事会(FRB)の役割について懇切丁寧に解説している。FRBの信頼が低下しつつあるなか、金融政策への理解を求め製作された公算が大きい。
足元、FRBには逆風が襲い掛かる。ペイリン元副大統領候補はバーナンキFRB議長に対し、口角に泡を飛ばせ量的緩和政策第2弾(QE2)の中止を呼びかけた。米下院議長のベーナー氏(オハイオ州)を筆頭とした共和党指導部も、書簡で「米経済の短期的成長の改善と安定的な物価水準の維持を意図しているとはいえ、(QE2は)将来のドルの強さに重大な不確実性をもたらす」と警鐘を鳴らす。ティーパーティーや共和党、そして世論からもQE2への批判が高まるなか、NY連銀の名の元にFRBは対応策を迫られたと言えよう。
漫画の発行には、伏線 があった。今週に入り、「誰でも分かるQE2」のアニメ動画が話題になっていたのである。動画は、ペイリン氏が「物価は大いに上昇中」と主張しインフレをもたらすための金融政策に非難の矛先を向けた内容に酷似する。かつNY市場関係者がジョーク交じりに「金融市場関係者以外の友人にQE2を理解を促すため転送している」と話す通り、非常に分かりやすい。しかし、QE2効果に対し疑問を招くものでもあり「動画はQE2のリスクに対する大衆へのウェイクアップ・コールとなりうる」(NY債券市場関係者)と眉をひそめていた。世間に金融政策への不満を蔓延させかねない内容に、FRBは対策を講じる必要性を感じたのかもしれない。
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