高級コンドミニアムでその名を知らしめる、マイアミ初のセタイ。満を辞して5thアベニューにデビューしました。うちの近所の36丁目にあるこちら、実は私がNYに引っ越してきた2005年頃からすでに着工してまして、リーマン・ショック後に工事を中断した暗い歴史をもちます。しかし景気回復とともに2010年前半から工事再開が本格化し、2010年の暮れに華麗な姿を披露しました。
ちなみにセタイと言えば、ニューヨーク証券取引所の横にもございますね。実はこちらのセタイ、34階建ての元オフィス・ビルから高級コンドミニアムへ変身を遂げたのです。NYSEから歩いて1分もかからない至近距離というプレミアムもあって、最上階ペントハウスの売り出し価格は780万ドルとファイナンシャル・ディストリクトの記録を塗り替えるほど。ディベロッパーであるプライベート・エクィティのサミール・エクィティは米国内で不動産再開発における賞を受賞した輝かしい経歴を誇ったこともあり、当初セタイの売却件数は162軒のうち約75%近くまで契約にこぎつけ、大注目の花形物件でした。
しかし、その後は工事の遅延などが原因で次々に顧客が離れていったのです。さらに降って沸いた悪夢が、この物件を襲い掛かりました・・・。欧州債務問題です!実はアイルランド銀行問題の台風の目となったアングロ・アイリッシュ、セタイのプロジェクトに関わっていたんですよ。格付け会社S&Pがカウンターパーティー格付けを6段階引き下げてジャンク級にした不幸も重なり、アングロ・アイリッシュは資金繰りに直面するなかコンドミニアムのローン担保証券を売り出すことを決定したんです。余談ですが、このコンドミニアム内にあるアジア・フュージョンShoのランチは、ワインをとチップを含めて200ドルというバブルっぷりだったんですよねぇ。
↓NYSEの横とはいえ、お買い物には不便な立地だったのも玉にキズ。
5thアベニュー版セタイのオープンは、こうした事情もあったのかオープンの時期が当初の11月前半から、やや後ろ倒しされてましたっけ。それでも今は稼動しているだけでなく、1階にBar on 5thというお店までご用意してあります。セタイの正面エントランスから入ると、細長い大理石の廊下がリュクスな赴きを漂わせ、足を踏み入れるとヒールが絨毯に差し込んでいくのが心地よい。訪れた年末にはラウンジにて、マンハッタンの夜にグルーブをプラスするジャズのトリオがライブ演奏を提供していました。
↓耳に優しいジャズなので、安らぎを与えてくれました。
バーカウンター以外はソファ席なだけに、適度なとられた距離感のおかげで男性同士がビジネス混じりに嵩じる会話もさして気にならず。アフターワークに上質なカクテルで咽喉を潤すには、良いお店です。
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紅ならぬ、橙の豚。