やっと、このときがやって参りました。
2008年の暮れに仮オープンしてから、もう3年ですか。早いものです。煤けたシルバーメタリックの影をハドソン・リバーに落とす、スタンダード・ホテル 。漫画AKIRAの舞台、201X年ネオ東京に立つランドマークのごとき近未来的かつ退廃的なデザインで、人を寄せ付けないものものしさを醸し出しています。
↓199X年の北斗の拳にも登場しそうな、無愛想な鉄の塊。実は全室ガラス張りです。
殺伐とした建物とは裏腹に、このホテルは遊び心いっぱい。スタンダード・グリルは外観とは正反対の家庭的な雰囲気に包まれ、ブランチにいただくこちらのブラッディメアリーはオーガニック万歳な味にノックダウンしちゃいます。エントランスの傍には、エスプリが香る大人まで魅了しそうなスケートリンクをご用意。リンクでは、恐らくロックフェラー・センターのアイス・リンクなら絶対足を踏み入れそうもない、ハイヒールがよく似合う女性たちが無邪気にはしゃいでました。
彼女たちの笑い声を小耳にはさみながら、エントランスの回転扉に手をかけて、その思いがけない気遣いにホロリ。ミニマルに見えたものの、日本人なら3人はゆうに入りそうな空間をとってありました。いかんせん、ホテルの見た目が世紀末的なので、冷淡にみえた男性の意外な一面を垣間見た瞬間のような意外性を感じてしまうのですよ。
↓夜のミートパッキングでスケートなんて、なんてNYチック!!
フューチャリスティックなロビーを通過してエレベーターへ進むと、天井からは流星の痕跡を見立てたライトがズラリ。まるで宇宙空間に投げ出されたかのようなエレベーター・ホールですから、しばし見惚れてしまいます。エレベーターが到着して足を踏み入れると、今度は別のエンターテイメントが、つかの間の時間を満たしてくれます。右と左に設置されたビジョンは、ミニブロードウェイ・ショーをほうふつとさせ、あなたを魅了してくれます。
↓バーレスクの女王、ディータ・ボン・ティースが微笑んでる?
エレベーターに入ったら、18のボタンを押さなくては。スタンダード・ホテルが誇るデカダントな舞台は、ここから始まるのです。
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