象牙もかくやという、ベージュの革張りソファに腰を落ち着けて、メニューを取ります。
アールデコ様式をふんだんにちりばめた内装にも関わらず、メニューは白地にマーカーで走り書きしたかのような素っ気なさ。せめて、緋色のカバーくらい装丁すればよいのに、とちょっと残念な気持ちになりました。色めくムードが、台無しです。
ドリンクメニューは、スタンダードからオリジナルまで、4ページ以上にわたってございます。私が選んだカクテルはテキーラベースでしたが、ロンググラスで頂く一品でしたので、脳天を突く刺激はございません。360度広がる夜景に気が大きくなった顧客が酩酊して、紳士淑女が味わう最上のスタンダードをぶち壊してしまうのを防ぐ意味もあるのでは、と推察します。
もちろん、軽食メニューもございます。ドリンクが17-18ドルと、意外に法外な値段ではない一方で、割合20ドルオーバーが目につきます。バーガーキングをもじって、Burger Queenなんかがあるのも、茶目っ気たっぷりでご愛嬌。王道のサンドウィッチから、 NYでのアペタイザーとして市民権を得た天ぷらもそろっておりますよ。せっかくですから、スナックでも一流をお望みのあなたには、こちらがイチオシ、Royal Sterling Caviar。お値段は150ドル也!!!こちらをオーダーされるなら、いっそG単位のシャンパンも空けていただぃましょう。
↓簡素なメニューに、ひときわ目立つ「150」!!写真だと分かりづらいですね・・。
「Top of the Standard」という名を冠するだけに、メニュー以外ではおもてなしの配慮を忘れません。レストルームにすら、完璧なまでのクオリティを追求します。コート・チェックの真横に広がる回廊に足を踏み入れると、乱視の私は、一瞬クラっと目眩を感じてしまう。放射線状に広がった先に据えられた鏡が、互いを反射し合い、さながら迷路に迷い込んだ錯覚をおぼえてしまうからです。
完全個室のレストルームは一坪くらいと、非常に狭い。しかし。
座った目の前には、NYの絶景が天井から床まで一面に広がっているのです!!!かなり、刺激的です。
↓レストルームからとは思えない夜景を、激写。
さすがTop of the Standardと豪語するだけに、息を呑む最高級のプレゼンテーションで至極満足すること間違いありません。最上の演出を心がけるだけに、問題もありまして。実は今年に入って、2人の女優志望のウェイトレスが訴訟を起こした んですよ。2010年の夏の改装時に、突然解雇の憂き目にあってしまったからです。彼女たちが、なぜ訴訟に踏み切ったか、それはお二人そろって、身長164cm程度、体重57kgくらいと、アメリカ人女性としては、ごく標準的なサイズだったから。
Top of the Standardでは、いわゆるモデル並みのスタイルが採用の判断基準となっているとし、差別を申し立てているというわけです。受付の女性たちのを考えると、むべなるかな。果たして、彼女たちは勝利を勝ち取れるのでしょうか・・。
↓女優志望なだけに、JISマーク入りのルックスだと思うんですが・・。
さてさて、入店を試みたいあなたに、ひとひらのアドバイスを。ここ、週末の夜は午後10時過ぎにドアを閉めてしまうこともあるので、入店には要注意です。ホテルのキーをちらつかせても、無理なときは無理。お金がモノをいう時もあるでしょうが、無粋と判断されるリスクもございますよ。行くなら平日の夜がベター。週末なら夕方くらいがおススメです。NYを訪れたなら、最高のスタンダードで全身を満たして下さいね~。
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