地震報道、被災者の方々、そして計画停電や交通制限に遭う皆様にとって複雑なのではないでしょうか。
個人的に元被災者として、津波に呑み込まれる町、途方に暮れた老人、泣き叫ぶ子供、そして白煙を巻き上げる原発の映像を目にするのは、海外からでもこたえます。実際に日本の土を踏む皆様にとっては、胸が張り裂けてしまうのではないでしょうか。そんなシーンを、繰り返し繰り返し放映し、見た人々から「映画みたい」という声が漏れる。無神経だ、と憤りすら覚えます。
その一方で、NBCの姉妹局であるMSNBCで、非常に励まされるニュースを見ることができました。
日本人の母をもつAnn Curry(アン・カリー)というアンカーウーマンによるレポートです。彼女、被災地に派遣されて現地からナマの声を送っているだけではないんです。その日のレポートは、アンのツィッター・アカウントに届けられたメッセージがきっかけで始まりました。
↓父はフレンチ、アイリッシュ、オランダなど欧州ミックス、キャリアは約30年以上です!
被災地にほど近い中学校の卒業式を控え、英語教師として勤務していたアメリカ人の女性が出席するため現地入りしたのです。そこへ襲った大地震。携帯に電話すれども連絡が取れず、両親の心は千々に乱れながら娘の無事を確認するため一計を案じたのです。
そう、アンのツィッター・アカウントに投稿したんです。どうか娘を探して欲しい、と。
アンとスタッフの懸命の捜索により、見事彼女は避難所の学校で発見されることとなりました。それだけではありません。アンは家族を失った日本人女性とともに、町を車で走り続けるのです。
もちろん、日本のメディアがこんなことしたら、きりがないでしょう。そしてMSNBCのアンもスタッフも、おいしいネタが欲しかっただけなのかもしれません。でも単に被災者をカメラで追って、さらに行方不明の子供を思って悲嘆にくれる母親を泣かせるインタビューを仕向けるより、ずっといいでしょう。被災地で行方不明になったアメリカ人の英語教師を追ったその日のニュースも、お涙頂戴風ではなく、淡々としているので嫌味がありませんでした。効果音もありません。着色せずに、クリアに事実を伝えているように見えました。こんな味付けを控えたニュースなら、刻々と変わる被災地の現状をはじめ東日本の状況を見つめていけるような気がします。
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