共和党内で正式表明した米大統領立候補者は、これまでにティム・ポーレンティー前ミネソタ州知事、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の2人となっている。他にマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事、ニュート・ギングリッジ元下院議長が候補とされていますね。
立候補を示唆する面子で一番の注目を浴びている人といえば、この人ドナルド・トランプ氏。オバマ米大統領へのネガティブ・キャンペーンを絶賛実施中です。不動産王で自身のリアリティ・ショー「The Apprentice」をもつトランプ氏は、オバマ氏を「最低の大統領」と一刀両断。トランプ氏、オバマ氏にショーの決め台詞「You’re fired」を言いたいんでしょう。執拗にオバマ氏の出生証明書の提出を求めてますね。
↓オバマさんの出生証明書より、髪がホンモノか証明してほしい・・。
当初、トランプの立候補示唆はWSJ紙が共和党の資金調達担当者ボビー・キルバーグ氏の言葉で伝えるように「コミック・リリーフ(緊張を緩和するために差し込まれるコミカルな場面)」として、苦笑しておりました。ところがこの調査をみて、唖然。あながち馬鹿にできない支持を得ているんです。
20日付けWSJ紙が報じた調査 によれば、3月31日から4月4日に調査されたWSJ/NBCの世論調査では、1位はロムニー氏で21%、しかし2位にハッカビー氏と並んで17位に位置しておりました。ギングリッジ氏の11%を上回っているんです。4月3-5日に保守派寄りフォックスが実施した調査では、1位がハッカビー氏で15%、2位のロムニー氏は14%に、トランプ氏は11%でピタリと背後についておりました。
そしてCNNが4月9-10日に実施した最新の調査。トランプ氏が驚天動地の19%を獲得し、まさかまさかの1位に浮上していたんです!ハッカビー氏と並んでいたとはいえ、恐るべしTVを通じたトランプ効果・・。米国民がまさかババを引くことはないと信じたいところですが、目を疑う結果に二の句が告げられません。結果を見た直後の私の頭のなか、ブッシュ前米大統領の再選で米国を訪問しないと誓った数多くのノン・アメリカンの声がこだまのように響き渡りました。
↓トランプ氏が活動すればするほど、支持率も上昇の一途をたどってます。
だってトランプ氏、ガソリン価格引き下げにと中国へ赤字削減について石油輸出国機構(OPEC)
と中国政府への説得なんて甘いこと言ってるんですよ?
OPECに対しては
「I would look them in the eye and say, ‘Fellas, you’ve had your fun, the fun is over’」
中国には
「I would tell China very nicely, ‘Fellows, you’re my friend, I like you very much’ — and I have made a lot of money with China, by the way, a lot of money. I would say, ‘We are going to put a 25 percent tax on all your products coming in,’」
これで支持が得られるなんて、正気の沙汰じゃないと思うんですが・・。また赤字削減に具体案を提示しているわけでもなく、2000年に出版した著書「The America We Deserve」で国民皆保険と中絶に賛成の意を表していましたが、今は撤回してそろって反対にまわるという豹変ぶりです。
トランプ氏は6月頃までに正式出馬を決定すると発言しております。しかしMSNBCでリベラル派の論客として知られるローレンス・オドネル氏は、看板番組「The Last Word」で5月16日に立候補の見送りを表明すると予想。NBCが秋の番組内容を正式に発表するから、というのが理由です。トランプ氏の「The Apprentice」は一般人からセレブリティ参加型へ格上げするなか、秋にはさらなるアップグレードがまことしやかにささやかれる状況。トランプ氏の一連の行動が単なる番宣として幕を閉じるかどうか、判明するまであと1ヵ月ですね。
正式に立候補した以外の米大統領候補も、トランプ氏並みに笑うに笑えない発言を展開しております。たとえばサラ・ペイリン前副大統領候補に次ぎ彗星のごとく現れた極右系のミシェル・バックマン米上院議員(ミネソタ州選出)は、米連邦債務上限引き上げにつき、講演で「私は皆さんと同じく引き上げに反対です。米連邦政府は(引き上げしなくとも)閉鎖には追い込まれないからです!」と的外れな発言を展開していました。虚言の多い方なんで、MSNBCなどリベラル系のターゲットとなって久しい女性ですね。大衆・支持者に擦り寄った政治家や著名人が大統領候補に挙がるなんて、世界の歴史を振り返るとジョークではすまされず、うすら寒さをおぼえます。
↓ペイリンと同じく、ブルネット・ビューティーといえばそうなんでけど・・。
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