ある週末の昼下がり。同じオフィス・ビルのフロアで顔を合わせる別会社のアメリカ人がデスクにやってきて、彼の33歳回目のお誕生日パーティーに招いて下さいました。
会場のThe Volsteadに関して、彼は「お祝いしてくれるっていう先輩が選んだから、僕はお店のことよく知らないんだよね」とことわってはいたんです。でも開始が午後9時だというので、57丁目とレキシントン・アベニュー近くでもフツーのBARだろうと私、タカをくくってしまったんですな。ついでに申し上げると彼自身、サンディエゴ出身で「Nothing fancy, just hang out」とカジュアル路線と強調してたんですな。そんな事情で翌日の土曜は予定が入っていたものの、フラリ顔を出すくらいはできるだろうと軽くOKしたんですよ。
これが運のツキでした。
その週末は、金曜の深夜から月曜の午前5時まで修理のためちょうど我が家に直結する7番線がシャットダウンしてたんです。従ってマンハッタンにたどり着くには、タクシーか地下鉄代用のシャトルバスが存在するのみ。用事が済んで午後10時半過ぎですからマンハッタンに直結せず、別の地下鉄線に誘うシャトルを使う気にもなれず。タクシーをつかまえようとストリートに立つことを選んだんですよ。ところが・・・なかなかタクシーが来ません。 一緒にいたハイチ人やアメリカ人と苦虫を噛み潰しながら、15分以上も待ち続けなければいけませんでした。マンハッタンとはやっぱり違います。
↓夜の帳が降りると、住宅地という背景もあって寂しさは禁じえません。
ツイてない時は、とことんツイてないものですね。
すでに会場にいるバースデーボーイの彼から、「まだ来ないの」と催促が来るなかでようやくタクシーを捕まえ、シートに身を沈めてホッとしたのも束の間。この運転手さんがハチャメチャでした。運転が荒いのはいうまでもなく、「Boom shakalaka~♪Yeahhhh baby, Let’s go!!」だなんてずーーーーっと一人でラップとも歌ともつかぬ拍子を取り続けてるんです・・。ええ、普段ならやり過ごしますよ。でも、じっとり湿気が毛穴をふさぐような夏の夜、鈍い熱を発するコンクリートの上でタクシーを15分以上待った後では、やりきれないったらありません。
挙句の果てには。
目的地に到着してお店に向かったせつな、友人男性の1人が「ショーツで入れるの?」とポツリつぶやいて、ハッと我に返りました。店の前で列を成す男性方はみなさん、長ズボン着用だったんです。女性もクラブ仕様の露出過多、もといポップスター気取りかB級女優が集まる映画プレミアもかくやというノリで・・。リストを持って立つ女性に尋ねてみたところ、案の定「ショーツの男性は入場できません」と冷たいひと言が返ってきました。そうです、スノビーなこのお店は男性のショートパンツ、もとい膝丈パンツはご法度だったんです・・。
あえなく列から脱落したところで、ちょうど女性陣が私たちの前を素通りして入店していったんですよ。彼女たちは足の付け根までカットオフされた大胆なデザインのジーンズのショートパンツという井出達でしたから、私たちの脱力感ったら、ひとしおで。私の友人2人も「お決まりのダブル・スタンダードだよ」と苦笑いしておりましたっけ。
↓どんなにお品が良いかというと、この程度です(泣き笑い)
はい。ヤッピーが多いミッドタウンのBARに、ショーツで来ることを許してしまった私に、オチがありますよ。しかし・・・一流どころのクラブでもラウンジでもないのに、この態度には唖然としてしまいました。しかもwebサイトではそんな注意書きもなかったのに・・・。ニューヨークに在住されていらっしゃる男性の皆様、ちょっとよさ気なお店に行かれるときは、どうぞ気をつけて下さいね。もしデートなら、門前払いされて彼女の前で恥を上塗りするというダブルパンチでノックアウトされかねませんから、ショーツ着用にはご遠慮下さい。
Comments
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ギリシャで可決も財政難は続くよ、アメリカでもオペラでもオーケストラでも。