オバマ米大統領が景気・雇用対策の演説で、21回も使った言葉は何でしょう?
「Pass」です。雇用促進策を通過するよう「pass this bill」と、強調してました。「pass this」に限定しても、12回!!オバマ米大統領の雇用促進への鼻息の荒さを感じます。7%超の失業率を背負って再選を果たした大統領は、レーガンくらいですから、力も入るでしょう。演説中、鋭く射るような眼差しを米議員達に投げかけてました。
↓今回は民主党カラーのブルーのネクタイで登場。
合計4470億ドルの雇用創出案、オバマ米大統領が言うところのJobs Plan。事前報道の3000億ドル、4000億ドルの上をいきましたね。バークレイズ・キャピタルのトロイ・デイビグ米シニアエコノミストいわく、「予想以上だった。事前に聞いていなかった内容もある。雇用を促進するという究極の目的という意味では、損なうことより支援するものだ。ただし政治的に実行可能かは、未知数である」
うーん、6ヶ月以上の失業者を雇用した企業に4000ドルの減税っていうのは、初めて聞きました・・・。演説のとおり、中小企業が雇用の担い手であれば、4000ドルのインパクトは小さくないのかも。
米下院で共和党のエリック・カンター院内総務(バージニア州)は、雇用促進を進めるオバマさんの態度が強硬的で、まるで米債務上限引き上げ協議中の頑固さを思い出すといった発言をしてましたが、雇用促進策を通過する必要性には賛成してました。オバマさん、「次の選挙まで残すところ14ヵ月だが、われわれに職を与えてくれた国民は、その日暮らしであり14ヵ月という余裕はない」と発言してましたから、反対しづらいでしょ。
↓CNBCは、オバマのジョブ・プランを図解説。
個人的には、演説の後に雇用・競争力諮問会議の議長でGEのCEOであるイメルト氏が、合法の移民に対する措置の改善を訴えていたことが印象的でした。雇用と競争性を高めるため、教育の強化とテクノロジー追求を目指し特殊技能の移民を支援すべきと主張してましたね。GEは海外で雇用を進め、法人税を払っていないのですが・・。
さて、個人的に気になった言葉は、韓国-South Korea。自由貿易協定に狙いを定めてか、3回登場しました。
1)But while they’re adding teachers in places like South Korea, we’re laying them off in droves.
→韓国のようなところで教師を増加中である一方、我々はこおってレイオフを進めている。
2)Now it’s time to clear the way for a series of trade agreements that would make it easier for American companies to sell their products in Panama, Colombia, and South Korea.
→自由貿易協定への道筋が明確な今こそ、アメリカ人はパナマ、コロンビア、そして韓国で米国製品を売ることが容易になる。
3)I want to see folks in South Korea driving Fords and Chevys and Chryslers.
→韓国の国民がフォード、シェビー、クライスラーの車を運転する姿をみたい。
ちなみに日本については、言及してません。欧州は「将来にわたり製造業を根付かせる場所は中国でも欧州でもない」という文章で1回、中国は前の文章と「新しい空港や高速道路が建設されている」という文章でも取り上げられ、合計2回でした。
最後に、オバマさんがケネディ元大統領の言葉として引用した、こちらをお届けして、締めくくります。
「Our problems are man-made – therefore they can be solved by man. And man can be as big as he wants.」
そうです、今そこにある問題はリーマン・ショックも含め人間が引き起こしたものです。だからこそ対処でき、解決できるだけの大きな力を行使できると、期待します。
追記;残念ながら、オバマ演説後、すぐにブレーキング・ニュースとして、NYで同時多発テロ事件10周年を控え、テロの危険性が報じられました。NYかワシントンDCか、定かではないとしつつ、ブルームバーグNY市長がわざわざ記者会見を開き「specific, credible but unconfirmed」としつつ、テロへの警戒を呼びかけたんです。週末にかけ、NYは緊張がみなぎること必至です。
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