1年半ぶりに会うお友達と、ディナーです。今宵は会社近くにあって、前から気になっていたザ・ナショナル(The National)に決めました。ここは、日本が輸出したグルメ番組の最高峰「料理の鉄人」のアメリカ版「The Next Iron Chef America」で、2011年秋に鉄人の座を射止めたジェフリー・ザカリアン氏がプロデュースするお店。オバマ米大統領に腕を振るった経験のあるマーカス・サミュエルソン氏をはじめ、並み居る強豪シェフを鮮やかなナイフさばきで切り捨てた技を、自らの舌で試したかったのです!!
店に到着して、オドロキました。マディソン・アベニューに建つホテルThe Benjaminの1階にあるこちら、回転扉を押して入ったところ、レストランの入口脇の円卓に、ふわりとした銀髪に薄いブルーのジャケットから桜色のシャツをのぞかせた品の良い紳士が。鉄人シェフ、ジェフリーその人だったんです!!分かりやすく申し上げると、「料理の鉄人」の道場六三郎氏にお目見えするようなもので・・・ちょっとした興奮をご理解いただければ幸いです。
↓写真の左側のメガネをかけた男性がジェフリー。
NYでは太陽の出ている時間から夜の帳が下りるまで、セレブに遭遇するのは平日が多い。水曜の夜なだけに、納得・・と思ったら、左側のBARではパーティーが盛大に執り行われているではありませんか。受付の方にうかがってみると、「Iron Chef America」を放映するフードネットワークで活躍する料理評論家テッド・アレン氏の本の出版記念パーティーだったんですね~。確かに評論家のテッド・アレン氏をはじめ、NYに住むグルメ通の間で評判の高いランドマーク(Landmac)のオーナーシェフ、マーク・マーフィーなどTVで大活躍の有名シェフの方の顔を確認することができました。料理好きなら、ヨダレものの顔ぶれです。
↓マークはBARの片隅で談笑しておりました。
思わぬアメリカの料理界最高峰に立つ方々との遭遇に高鳴る胸を押さえ、テーブルについてメニューを開きます。既にテンションが上がっていただけに、正直落胆はやむをえず。品数が少ないんです!!こちらがヨーロピアン・テイストとアメリカン・カジュアルを融合した「グランド・カフェ」を目指しただけに、本格的レストランといえないことは重々承知しておりますけどね・・。アペタイザーが6品、メインが8品は少な過ぎでしょ!!お酒のおつまみといったバー・メニューも4品、スープは2品、サラダは3品の一群があったとはいえ、個人的にはアルメニア系アメリカ人のザカリアン氏らしい、ダイナミックなフュージョンを演出してほしかった。
結局メインは30ドル近い品々が多い割には食欲をそそられず、アペタイザーとバー・メニュー、そしてサラダから選んでやりすごしてしまいました。選らんだうちのステーキ・タルタルはフィレ・ミニョンにチェリーペッパーとあしらわれ、口どけもやわらかく、ジューシーでしたよ。グリルド・オクトパトスもじんわりした噛みごたえで、フェンネルがハーブらしく香ばしいながら後味に清涼感を加えており、見事なバランス。しかし・・・シーザーサラダはレタスのぶつ切りなだけで盛り付けセンスがゼロだったのが、残念。
↓タルタルステーキは、口どけ柔らかく、しつこくないお味。
↓グリルド・オクトパスはビーンズがしんなりととしてタコの風味と被るのがもったいない。
一番もったいなかったのは、サービスでしたね。ワインを1本オーダーしソムリエが一杯目を注いでくれたのですが、最後の一振りを振りかぶりすぎで、グラスから少なくはない量がこぼれたんですよ。さらにワイングラスが空になっても、テーブルから離れたワイン・クーラーからなかなかウェイターさんがつぎに来てくれない・・・。こちらのワインの中心レンジが90-120ドルであることをお忘れなく。もちろん私がオーダーしたワインは目玉をサラのようにして見つけたお買い得なメード・イン・NZのシャルドネで50ドル以下でしたけど・・・。ワインもろくに注げないなんて、ガッカリですよ。
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