2013年F1ニュージャージーGP前、マシンが自由の女神に謁見

by • September 3, 2012 • Gossip, Latest News, NY Tips, Out & AboutComments (0)1785

Formula1 In New Jersey Took Its First Test Drive In Front Of Statue of Liberty.

2011年10月に鳴り物入りで構想が発表されてから、約1年。ついにF1ニュージャージー・グランプリ(正式にはF1グランプリ・オブ・アメリカ)への第一章が幕を開けました。優勝経験13回を誇るデビッド・クルサードと彼がアドバイザー兼テスト・ドライバーとして所属するレッド・ブルが試運転を敢行するにいたったのです!

興奮の画像でお分かりのとおり、ハドソン川の向こうに広がるマンハッタンと平行に走るコースは、エンパイア・ステートビルから自由の女神まで見渡すことができ「グランプリ・オブ・アメリカ」にふさわしい。全長3.1マイル(約5km)にはアメリカ、そしてニューヨークの象徴を散りばめるだけでなく、NY市とニュージャージー州をつなぐリンカーン・トンネルまでフィーチャー。「New York New Jersey」というサインが張り付いた鈍い銀色のトンネルをマシンが駆け抜ける姿は、さながら近未来レースを連想させる。映画のワンシーンのようなスリルを味わったかと思ったら、ニュージャージー州の市街地へ突っ込んでいくというオチまで用意されており、観衆の目を存分に楽しませてくれること間違いなし。

いよいよ来年!イーストリバーの向こう側に住む私にとっても、待ち遠しい!!

デビッド・クルサード選手は、試運転の後にインタビューでコースについて「モンテカルロ、シンガポール、バレンシアを彷彿とさせるね」とコメント。閑静な住宅街のど真ん中を疾走するとあって、住民には「200マイル(321km)以上で走る車を目にする貴重な体験になる」と話しておりました。

ニュージャージー州が経済の「起爆剤」として期待し、リーマン・ショック以降ウォールストリートから上がってくる歳入が細るニューヨークが観光収入として待望するF1ニュージャージーGP。仮日程は2013年6月です。

残念ながら現段階では「仮日程」でしかない背景につき、地元メディアの取材に対し専門家は「F1レースはその年を迎えるまで、決定事項とはならない」と説明してます。地元の政治家や企業が横槍を入れることを回避するためだとか。

そもそも車体が低く、気圧に敏感なF1カーが凹凸の激しい、かつ磨耗された路面に対応できるのかが大きな障害として立ちはだかっております。7月後半の段階では、F1運営組織の最高経営責任者(CEO)であるバーニー・エレク ストン氏も、BBCに対しストリートの整備について「全くもってできていない(No. Definitely, no)」と切り捨てておりました。デビッドの走行テスト後にコメントが確認されておらず、疑問が解消されたとも思えません。

市街地をはじめ、路面問題はかなり深刻。

市街地がコースに盛り込まれるだけに地元民への賛成の必要であるほか、資金源の問題もあります。開催のけん引役で会長を務めるレオ・ハインダリー・Jr氏は64歳で、メディア関連のプライベート・エクィティ(PE)ファンド大手インターメディア・パートナーズのマネージング・パートナー。メジャー・リーグのシカゴ・カブズの買収に動いたことでも知られるので、資金は豊富かもしれません。ただし、F1ニュージャージーGPのトム・コッター委員長がちょうどデビッ ドが試運転を実施した直後、辞任を発表したことも非常に不気味です。

金融危機からわずか4年しか経っていないので公的資金は一切投入しない触れ込みになっていますが・・・。まだまだ課題が残るF1ニュージャージーGP、日の目をみるか私には固唾を飲んで見守るしかできません。

NASCARが絶大な人気を誇るアメリカでF1の人気を根付かせるためにも、開催にこぎつけてほしい・・。

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