Forget OWS, Here Comes Chamomile Tea Party!
共和党、民主党の党大会が終了し、11月6日の米大統領選挙まであと2ヵ月を切ったいま。
そしてリーマン・ショック4周年が近づき・・・。
やって来ました、「ウォール街を占拠せよ!(OWS)」。
OWSは下火になっていたものの、活火山の活動再開のごとく地表に現れたのです。9月17日に1周年記念を迎え、「S17」と題し15日から3日間にわたって、大々的なイベントを組んでますよ。テーマが「Education、Celebration、Resistance(教育、祝祭、抵抗)」なだけに、それぞれS15=15日は教育の日としてワシントン・スクエアにてオリエンテーションなど、S16=16日は祝祭としてフォーリー・スクエアでコンサート、S17にはニューヨーク証券取引所が並ぶウォールストリートを中心としたデモを敢行する予定です。
NYだけでなく、OWSは民主党党大会が開催されたノースカロライナ州で再発してました。香港でも、8月に火を噴きHSBCが警察当局から立ち退き命令を勝ち取ったとのニュースもありましたね。
彼らの怒り、庶民として私ももちろん、理解できます。
経済政策研究所の調査によると、アメリカでの富裕層と中流層の所得格差は過去50年間で2倍へ拡大したのです。1962年時点での富裕層「1%」と中流層の格差は125倍でした。2010年時点では、288倍に及んでいたのです。衝撃的・・・。
しかも悲しいことに、中流層の所得は1983年と比較して22%減少。1983年は7万3000ドル(570万円)だったのに、2010年時点は5万7000ドル(445万円)へ撃沈してました・・。反対にスーパーリッチはさすが、足元の低金利を駆使した錬金術を用いたわけではないでしょうが、1983年の960万ドル(7億4880万円)から1640万ドル(12億7920万円)へ大幅増を達成してます。
社会の担い手である中流層の間で、怒れるこぶしを振り上げたくなる気持ちは十分理解できますよ。年金が吹っ飛び、職を失い、さらにはリーマン・ショック後の増税・公共料金の値上げ(連邦政府は給与税引き下げなどを実施した一方で、地方政府レベルは消費税の引き上げや地下鉄料金の値上げに直面しました)に苛まれ、若い世代は卒業しても職がない--。そんな状態で富める者がますます豊かになっている現状は、アメリカでは外国人である私にとっても耐え難いです。
写真のように気前のいい方ばかりじゃないんで、富裕層への恨みや嫉妬もあるでしょう。
しかし・・・デモは富裕層でない市民の生活の自由を奪うのですよ。だから私は、活動自体には賛成できない。
というわけで、こんなのはいかがでしょうか?
題して・・・
カモミール・ティーパーティー!!
webサイトに踊ルキャッチコピーは、「Bring Calm to American Political Discourse」--アメリカでの政治的な対話に平穏をもたらそう。
なんて今の時代に必要な言葉でしょう!!
OWSより1年早い2010年に産声を上げたこの団体は、デモで市民の足を妨げるどころかソーシャルネットワーク乱用することもありません。武器のひとつは、グラフィック・デザイナーのジェフ・ゲイツ氏のアートワーク。第二次世界大戦で使用されたプロパガンダをモチーフに描くゲイツ氏の作品は、保守VSリベラルの対立の矛盾を視覚的かつ効果的に突いてきます。
これらのアートは、webで無料提供しているわけではありません。ワシントンDCの地下鉄の構内に9月から10月に2ヵ月間にわたって張り巡らされるのです。
無機質な鉄筋コンクリートが、まるで闇に広がる波間にみえるから不思議。
年末に減税失効と歳出削減が襲い掛かる「財政の断崖(fiscal cliff)」を前に、米格付け会社ムーディーズは11日に債務削減で米議会が一致しなければ格下げすると警鐘を鳴らしました。共和党と民主党の交渉膠着で2011年8月にS&Pが格下げを断行し、おかげで経済信頼感指も軒並み落ち込んだのも、記憶に新しい。でも、ベイナー米下院議長(共和党・オハイオ州)はニュースを受け合意できるか「確信がもてない」と情けないコメントを発してましたね・・・ゲイツ氏の一連の作品が両党のガチンコ対決に渇を入れてくれますように!まぁ、その前に米大統領選で、アメリカ国民は米議会に強いメッセージを送るでしょう(送らなきゃダメです!)。
Comments
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Think Different………..Seriously??? iPhone5は時代遅れ