US By Numbers: From Debt to Guns.
2012年、そして今のアメリカを振り返る企画第2弾は、数字にちなんだモノ編です。数字が映し出すアメリカをみてみましょう。
▽債務編
1兆ドル規模の財政赤字を抱えるアメリカ、国民の債務動向はといますと・・nerd walletが教えてくれます。
・平均のクレジットカード債務残高→7193ドル(61万8600円)
・債務者の平均債務残高→1万5418ドル(132万5900円)
アメリカ人は2006年からリーマン・ショック後の2009年前半まで債務を膨らませた後、ようやく削減させたものの以降は横ばいが続いてます。アメリカのクレジットカードは金利払いのみでもOKで、日本のように一括払いを期日までに支払わなければならないとうシステムではないので、債務が高止まりしやすいんですよ。いくら雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が増加したって、リーマン・ショック後の減少分を取り戻しているだけですから、債務自体もこれ以上減るわけがなく。賃金が前年比で過去最低の1.6%、1.7%の上昇程度にとどまっている点を踏まえると、高賃金より中低賃金の雇用が裾野を広げているだけでしょうし、債務の削減ペースが低迷するのもいたしかたなし。
▽貧富の格差編
2011年に開始した「ウォール街を占拠せよ!」。今年もマンハッタンで逮捕者が出る騒動となりました。手法に断固として反対しますが、趣旨には同調する部分もあるんですよね。Zerohedgeが各メディアからまとめてアメリカ経済の今を紹介したこの数字を見ると、ゲンナリします。
・フードスタンプ
→2008年にフードスタンプ(政府からの食料補助)の給付者は3160万人だったところ、2012年には4770万人へ増加。2012年までの給付者のうち半分がリーマン・ショック後から受け取っている。
・ 子供のホームレス増加
→アメリカ史上で初めて、公立学校に在籍するホームレスの子供の数が2010-11年時点で100万人を突破。2006-07年と比較すると57%も急増。
・ 失われつつある中流階級
→1971年当時、自らを中流階級とみなすアメリカ人の割合は61%。2011年時点では51%へ低下。
▽アメリカ人と銃
今年はアメリカで、決してあってはならない銃乱射事件が相次ぎました。映画「ダークナイト・ライジング(Dark Knight Rises」の公開初日、7月にコロラド州でアメリカ史上最悪の乱射事件が発生し、事件の恐怖が冷めやらぬ8月にはウィスコンシン州で引き金が引かれました。12月にはコネティカット州ニュータウンの小学校で26名の児童・学校関係者が凶弾に倒れ、オバマ米大統領が記者会見で涙を見せたことも記憶に新しい。米国ライフル協会(NRA)は学校内での銃乱射を防ぐため武装警護員を導入すべきと主張していますが、銃規制の厳格化は免れないでしょう。
・アメリカ民間人が保有する銃の数-2007年、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)調べ
→2億7000万丁
全米での銃火器による死亡・負傷者数(2007年版)。法規制のある斜線の州が比較的少ない。
・銃の保有率が高い州
1) ワイオミング 59.7%
2)アラスカ 57.8%
3)モンタナ 57.7%
4)サウスダコタ 56.6%
5)ウェストバージニア 55.4%
※ニューヨーク州は18%で45位、コネティカット州は46位で16.7%、コロラド州は33位で34.7%、ウィスコンシン州は12位で44.4%、最低はハワイで6.7%。
ニューヨークでは、ニュータウンでの惨劇を受けてグーグルの協力で銃の保有者マップが登場しました。プライバシーの侵害とかいってられません。
いかがだったでしょうか。暗い数字ばかりで恐縮です・・・とはいえ、これがアメリカの姿でもあります。現実を直視して、2013年につなげていきまょう。
Comments
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2012年、大変お世話になりました。