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ヒルゼンラス記者、市場はFOMCを「読み違え」と報道

by • June 21, 2013 • Latest NewsComments (0)2262

Hilsenrath Said “Market Might Be Misreading Fed’s Message”

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は21日、ヒルゼンラス記者の署名入りで「マーケットはメッセージを読み違えた可能性(Markets Might Be Misreading Fed’s Messages)」があると報じました。ゴールドマン・サックス(GS)のジャン・ハッチウス主席エコノミストがFOMCを受けて「声明文は我々の予想よりタカ派的だった」と結論づけたように、マーケットでは9月の資産買入縮小・2014年の買い入れ終了を予想する意見が優勢に。米債安・米株安・ドル高へ急速に舵を切ったことは、記憶に新しい。合わせて、ユーロダラー3ヵ月先物2014年12月限は0.55%から0.76%へ上昇、FF金利先物2014年12月限も0.28%から0.385%へ上振れし、利上げ織り込み度が強まりました。

しかしヒルゼンラス記者いわく、1)FOMC声明文、2)バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見、3)FOMCメンバーの経済見通しおよびFF金利見通し――を紐解くと、「ハト派寄り」なスタンスが見て取れるというんです。

・バーナンキFRB議長は失業率が政策変更のメドとなる6.5%以下へ低下しても、インフレが抑制的であれば低金利を据え置くと発言

・バーナンキFRB議長は、大半のメンバーが住宅ローン担保証券(MBS)を売却せずに償還するまで保有すべきと判断していたことを表明。以前は将来的な売却について言及していた

・バーナンキ議長は年内の買入縮小、14年半ばの終了の可能性を点灯させたとはいえ、後で「発言通り結論づけると読み間違えることもある。なぜなら買入プログラムは経済動向次第であり、結論あるいは決定した計画などない」と付け加え、政策の自由度を確保

・FF金利見通し2015-16年までの据え置きを予想するメンバーは、19人中で15人。2015年以前に最初の利上げを予想するメンバーは前回3月の5人から今回は4人へ減少

・2015年末のFF金利見通しは平均で1.34%と、前回1.30%からほぼ変わらず。中央値では1%で横ばい

・FOMC声明文では、セントルイス連銀のブラード総裁が低インフに懸念を示し現状の政策に反対票を投じた。同総裁はタカ派とされるものの、ハト派へ反転。21日の電話インタビューでは、インフレが低水準にありながらバーナンキ議長が資産買入の縮小に言及した点につき「不適切なタイミングだった」とまで言及

セントルイス連銀総裁に対し、某有名エコノミストは「ブレやすい」と辛口評価。
bullard

全体的なトーンを拾ってみると、6月FOMCにはタカ派寄りなスタンスだけではなく、ハト派的な要素も散りばめられていました。NY時間午後2時半の段階でWSJ紙のこのニュースを受け米債利回りの上昇は一服、米株も前日終値付近の推移にとどまっており、来週から潮目が変わるか注目されます。

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