AMA Said Obesity Is A ‘Disease’.
アメリカ医師会は18日、アメリカ国民の3割に対し衝撃的な判断を下しました。
肥満を「病気」と認定したんです。
CNNによると、アメリカ疾病予防管理センターの調査では1997年から2012年の5年間で肥満の割合が50%も急増。今では成人の30%以上が肥満と判定され、子供にまで浸透しつつあります。特に子供の肥満は、過去30年間で倍以上に膨らんだんですって。アメリカでは、世界保健機関(WHO)の基準に合わせBMI指数(ボディマス指数、Body Mass Index)が「30」を超える場合を肥満と定義。この肥満人口の増加が明らかとあって、AMAが行動に踏み切ったといえるでしょう。
2000年は、まだ人口に占める肥満の割合は12%-24%が主流でした。
2012年には、24-30%が基準となり、南部を中心に29-36%へ跳ね上がります。
ボディマス指数とは、体重(単位はkg)÷身長(単位はm)×身長で計算されます。標準値は「25以上30未満」。「30以上」が肥満であるため、例えば160cmの身長なら76.8kg、170cmから86.7kgなら「30」の分水嶺に相当するんです。
経済開発協力機構(OECD)の調査をみると、アメリカでの肥満率の特出した高さは一目瞭然。2009年時点でアメリカ人の肥満率は、33.8%でぶっちぎりの1位!!2位はメキシコで30.0%、3位はニュージーランドで26.5%となっています。日本はというと3.9%。韓国の3.8%、中国の2.9%より多いとはいえ、統計対象国および先進国のなかでも俄然低いんです。
国別の肥満ランキング。上記の調査結果と数字は若干異なりますが大勢は変わりません。
アメリカに話を戻して。
AMAが肥満を「病気」と認定するに当たって、多くの人々が違和感を禁じえないでしょう。ワタクシも、その一人です。物議を醸し出さずにはいられない今回の決断の根拠として、肥満により
・心臓病
・高血圧
・脳卒中
・肝臓病
・睡眠時の無呼吸
・骨関節炎
などの関連性が高いとあって、食べ過ぎあるいは運動不足で片付けられないというわけなんですね。AMAのメンバーであるパトリス・ハリス医師は、「肥満を『病気』と認定することで、肥満という難しい問題に取り組む医療業界の手段を変えられる」と意気込みをみせております。
名優ジェームズ・ガンドルフィーノ氏が心臓発作で51歳で亡くなったことも、衝撃的でした。
具体的に言うと今回の決定は法制度に直接影響を与えず、従って規制にも関与しません。ただし、米議会に圧力を加えることが可能となります。将来的には保険の適用を通じ医師に栄養面や運動などダイエットに関し診断してもらえるようになるだけでなく、肥満予防、肥満治療向け医薬品が処方されることになるでしょう。胃バイパス手術、ラップバンドなんかも、保険の対象となりえます。
肥満に関連する米政府の医療負担は年間1470億-2100億ドル(1433億-2048億円)に達するともいいますから、肥満予防を通じて政府の支出を抑える利点もあるそうな。
ニューヨークではブルームバーグ市長が肥満への取り組みの一環として、シティグループの協力によりNY市内を自転車で移動できる「シティバイク」を始動。ソーダ水販売禁止条例こそNY州裁判所から違法の判決が下され差し止められましたが、AMAの判断を受けて盛り返してくるかもしれませんね。
全米レベルでいえば肥満を「病気」と認定した結果、株式市場では健康関連セクターや医薬品セクターが盛り上がりそうな気配。特に医薬品セクターは、肥満治療・予防向け医薬品が新たな収入源となりえます。反対に医療保険セクターは負担が拡大し、利益が細ることになるでしょう。(まー現状の下落相場でセクターの話をしても仕方ありませんが・・)
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