Gratuities Are Not Accepted : Good or Bad?
NYで極上のお寿司屋さんといえば、日本人をはじめニューヨーカーからもSushi Yasudaの名前が挙がります。
私は苗字が同じなせいか、ニューヨーカーからジョークと本気ともつかない口ぶりで家族経営なのかと尋ねられることもしばしば(笑)。レストラン業界の浮き沈みが激しいニューヨークで14年間も第一線をひた走るだけに、誰もが知る名店でございます。
そのSushi Yasuda、見る目に鮮やか、食して清らかなお寿司ではなく、別の手段でニューヨークに新風を巻き起こしています!何かといいますと・・・
チップお断りに踏み切ったんです!!
ブルームバーグでグルメ記者を務めるライアン・サットン氏のブログ「The Price Hike」から。
赤い丸で囲まれた英文には
「日本の慣習に則り、Sushi Yasudaの従業員は給与を十分支払われております。従いましてチップを頂きません」
とはっきり明記されてあります。
お寿司屋さんなだけに、目からウロコ!!だってNYでのレストランのチップは、合計に対し大抵20%。日本人の皆さまだけでなく、アメリカ人すら食事とワインでゆるんだ頭にチップの計算はスマートフォンがあっても面倒なんで、このシステムは拍手喝采で迎えた方々も少なくはなかったと想像します。
オーナーの一人であるスコット・ローゼンバーグ氏はブログ主宰者のライアン・サットン氏に、チップ廃止後の変化について「チップの分までオーダーくれるから、結局2割増しになるんだ」とホクホクだったんですって。チップの支払いが不要とあれば、グッと気軽にお食事も楽しめるんでしょうねぇ。日によって稼ぎが異なるウェイター/ウェイトレスの方々もモチベーションが上がること間違いなしでオーナーも申し分なく、皆がハッピーな画期的な手段なのかもしれません。
一方でチップ廃止によって、給与がどうまかなわれるのか疑問が残るでしょ?
NYで唯一、チップお断りという新機軸を打ち出したSushi Yasudaですが、ブログ「The Price Hike」によりますと、チップ廃止に伴い・・・値上げも断行していたんですね。従業員に病欠を含む有給休暇を与え、かつ安定的な給与を約束するには、致し方ない措置とお見受けします。チップを受け取るウェイター/ウェイトレスの給与が2.25ドル(225円)、チップを受け取らない給仕は7.25ドル(725円)とNY市の最低限にとどめられている事実を振り返れば、人道的といっても過言ではありません。
ただし家賃をはじめ地下鉄の料金など年がら年中インフレに苛まれるニューヨーカーにとって、「値上げ」は食欲を喪失させる禁句でもあります。だからこそ、チップ制度廃止を聞いて女性の一人は「他のレストランもならってしまったらちょっと困るわ・・・」と眉をひそめてました。
ちなみにここ数年の間で、チップを強制しないレストランも増えてるんですね。カリフォルニア州サンディエゴのThe Linkeryも同様の措置を導入し(ただし今月15日に閉店へ・・まさかチップ廃止が仇ではないでしょう)、テキサス州オースティンのパブ系レストランBlack Star Coopでは消費税も含まれてるんですって。NY市のタイムワーナー・ビル内にたたずむフランス料理のPer Se(パ・セ)では、サービス料金が20%が盛り込まれており、チップはお客様次第となっております。あ、Per Seは2人で1000ドル(10万円)を超える価格設定ですから、お気をつけ下さいませ。
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