1987-2

ウォールストリートで囁かれるナンバー、「1700」と「1987」

by • August 15, 2013 • Latest NewsComments (0)2125

Forget About 1700p Club, Here Comes Team 1987.

全米発行部数3位のUSAトゥデー紙は8月に入って調整色がにじむなか、6日にこんなニュースを金融版のトップにもってきました。題して「1700pクラブ!

カバーはJPモルガンのトーマス・リー氏。CNBCでは「卒業アルバムみたい」とご本人が失笑。
1700p

高名なストラテジスト7人が、S&P500年末予想を1700p以上に設定していると(今さらながら)伝えております。以下は、強気派7人とS&P500の予想値。

1) JPモルガンのトーマス・リー氏→1775p(前週末に1715pから引き上げ、最も強気派)
2) カナコード・ジュニティのトニー・ドワイヤー氏→1760p
3) ゴールドマン・サックスのデビッド・コスティン氏→1750p
4) バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのサビータ・スブラマニアン氏→1750p
5) クレディ・スイスのアンドリュー・ガースウェイト氏→1730p
6) オッペンハイマーのジョン・ストルツファス氏→1730p
7) スタイフェル・ニコラウスのバリー・バニスター氏→1700p

ブルームバーグの統計では、S&P500を予想する17人中、15人が今年に入って見通しを引き上げたんだとか。逆にいうと、引き上げなかったストラテジストの数値が知りたいところですよね・・USAトゥデー紙、網羅してほしかった。

皮肉にも、マーケットは典型的な夏枯れ相場にジリジリ下値を切り下げる状況では・・弱気派が息を吹き返しております。彼らがしきりに唱える数字こそ、「1987」。

急先鋒は、破滅博士(Dr. Doom)との異名をもつマーク・ファーバー氏でしょう。金融情報ニュースレターであるドゥーム・ブーム・アンド・グルーム発行人ですね。ニックネームに違わず、この方は1987年当時の相場展開を予想してます。

破滅博士の称号とは裏腹に、ネクタイはピンクなど暖色系を愛用。
1987

1987年8月までに776ドルから2772ドルへ急伸したダウ平均が、同年10月19日のブラック・マンデーで22.6%も急落したあの当時のようなシナリオを描いてます。あのときラリーは8月25日まで続いていたことから、今回も8月での腰折れを予想。S&P500では、現時点から年末までに約20%の下押しを想定しております。

ブル・アンド・ベア・パートナーズのジャック・ブルージャン最高経営責任者(CEO)も、マーク・ファーバー氏と同じような見方を有しています。はい、1987年のような急落劇を予想しているんですよ。

理由は3つ。

1つ目に、GDPと比較した「買われ過ぎサイン」が点灯
同氏によると、株式相場の時価総額が国内総生産(GDP)を大きく上回って推移したのは、これまでで2回。
1回目は1990年後半で、同氏によるとGDPを148%上回って推移していました。
2回目は、2007年。118%も上回っていたといいます。
1990年当時は同時多発テロ事件があった2001年に弱気相場に入り、2007年当時は翌年のリーマン・ショックにつながりますね。

2つ目は、究極の弱気サイン「ヒンデンブルグ・オーメン」の兆し現る?
ヒンデンブルグとは、1937年5月6日にニュージャージー州レイクハースト海軍飛行場で爆発・炎上したドイツの飛行船「ヒンデンブルグ号」のこと。オーメンとは、映画でもご想像のように「悪い前兆」の意味ですよね。

おさらいしておくと、

1.ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.8%以上
2.NYSEインデックスの値が50営業日前を上回っている
3.短期的な騰勢を示すマクラレンオシレーターの値がマイナス
4.52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の二倍を超えない
iFinanceより出典)

3つ目に、QE縮小およびFRB議長の交代

QE縮小はご案内の通りですよね。
FRB議長の交代はといいますと・・ボルカー議長からグリーンスパン議長への交代劇では、就任からわずか2ヵ月で1987年10月19日にブラックマンデーが発生しました。グリーンスパン議長からバーナンキ議長へバトンタッチした当時は、2008年9月15日にリーマン・ショックを迎えています。

2014年1月末には、新たな議長が誕生しますし、ひと波乱あってもおかしくないと判断しているようです。

ブラック・マンデー後のNYポスト紙。貴重な1枚です。
stock_market

マーケット格言として、「相場は悲観のなかで生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、幸福とともに消えていく」という言葉がございますね。火中の栗を拾えば実りは大きいかもしれませんが、現時点は悲観の始まりかもしれませんし・・「1987年」懸念が台頭するのもいたし方ないでしょう。9月QE縮小が意識されるなかでは、なおさらです。

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