To Be Fit or Not, That Is the Question.
フロリダ州に住む2児の母親がフェイスブックでシェアしていた写真に、私も目を止めました。
にっこり笑うアジア系女性は見事な腹筋を惜しげもなくさらし、彼女の上には「What’s your excuse?(あなたは何ていい訳するの?) 」という文字が踊っていたんです。
彼女を囲む3人の小さな男の子たちは、紛れもなく彼女が産んだ子供たち。
(出所 : www.mariakang.com)
わずか3年の間に3人の子供を世に送り出してこの身体とは、うらやましい限り・・・。思わず見とれてしまいました。これでも毎週3回ワークアウトするワタクシ、フィットネス好きの家人とともに女性の努力にいたく感心したものです。
ところが、全米の反応は違いました。
3児の母でフィットネス・ブロガーでもある写真の女性マリア・カンさん(32歳)の写真は、女性を中心に猛烈な怒りを買ったんです。人種、宗教、体型など差別や偏見を促す投稿に反対するフェイスブックは、マリアさんに投稿削除を求めました。要請に応じなかったところ、フェイスブックは一時的にアカウント閉鎖へ追い込んだといいます。なぜか、あなたには分かりますか?
マリアさんの投稿が、肥満体型の女性を「虐めた」と判断したからです。
では、マリアさんの反応はというと・・・謝罪しました。彼女なりのやり方で。
「写真をネガティブな意味で受け取った人にはお詫びをするわ、最初で最後よ。断っておくけど、私は元々やせ型なんかじゃない。摂食障害の過去にはあえて触れないわよ。ひとつ言わせてもらうと、写真を太った女性へのイジメと解釈したのはあなたなの。人生を、身体を、運命を自分の思う通りにしたければ、まず頭の中の考え方を変えなくちゃね」
反省の色は少しもありません。マリアさんはさらに、プラスサイズの下着メーカーであるカーヴィ・ガール・ランジェリーを槍玉に挙げ「太り過ぎで肥満気味な女性の身体を賞賛するなんて我慢がならないわ」、「不健康な食生活を助長してる」と攻撃の矢を放ったことも、糾弾材料となりました。ちなみにアメリカで肥満の定義は、世界保健機関(WHO)の基準に合わせBMI指数(ボディマス指数、Body Mass Index)が「30」を超える場合を指します。例えば160cmの身長で、 76.8kgです。
ぽっちゃりの範囲内ならガリガリより健康的で、女性美に溢れています。
(出所 : beautyandthecurves.blogspot.com)
マリアさんがフィットネスに傾倒し非営利団体まで主宰しているのは、理由があります。彼女自身、心代謝性障害に悩まされ減量が非常に困難だったんです。実の母親もインスピレーションを与えました。母親は20代から糖尿病を煩い、30代で心臓発作に倒れ、40代で肝臓移植を余儀なくされ、50代で70代のように車椅子に座る生活を送っているんです。
そう、ナイスバディと手に入れて誇示するためというよりマリアさんは「健康のため」、まず食生活を徹底的に見直し内側から体質改善を図りました。今では週6日に30分から1時間かけてワークアウトしているんです。3人の子供も自分できちんと育て、専用ベビーシッターも雇っていないと断言しています。
アメリカでは、ざっと3人の1人が肥満とされており、成人における肥満率は上昇をたどる一方です。マリアさんの投稿は彼女のねらい通り、「注意を引く」という作戦で大成功したといえるでしょう。彼女が論争を巻き起こした最初の投稿写真で「いいね」を18万4000件、シェア1万5000件、コメント2万1000件を数え、下着メーカーに対する辛辣なコメントもわずか4時間で1万件の「いいね」、2000件のシェアを得たといいますから。
(カバー写真 : wikiHow)
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