Wells Fargo Result Left Market Concerns For Lending.
ウェルズ・ファーゴが11日寄り前に発表した4-6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比3.8%増の57億2600万ドルだった。一部項目を除く1株当たり利益は1.01ドルと、アナリスト予想と一致。ただし1-3月期の1.05ドル以下となり2009年以降、前期比超えの記録を16四半期で止めたかたちだ。収入は1.4%減の212億9100万ドルだったが、市場予想の208億4000万ドルを上回った。
純利益マージンは3.15%となり、市場予想および1-3月期の3.20%および前年同期の3.40%を下回った。純利益収入は108億ドルと、市場予想の109億1000万ドル以下に。非純利益収入は103億ドルと、市場予想の99億4000万ドルおよび前期の100億1000万ドルを上回った。
ローン残高は前年同期比4%増の8289億ドルと、市場予想の8340億ドルに届かず。ただし住宅ローンをはじめ商業不動産ローン、企業向けローン、自動車ローン、クレジット・カードの貸出がそれぞれ伸び、1-3月期の8340億ドルを上回った。中核ローンも7%増の7636億ドルで、1-3月期の7484億ドルを超えた。
住宅ローン収入(金利を除く)は前年同期比39%減の17億ドルだった。ただし大寒波の打撃を受けた1-3月期の15億1000万ドルを上回っている。住宅ローン組成額は前年同期比58%減の470億ドルと、1-3月期の360億ドルを超えた。
住宅ローン組成額、改善したとはいえこれまでの金額との差は歴然。
(出所 : Marketwatch)
預金残高平均は前年同期比9%増の1兆1000億ドル、中核預金残高平均は9917億ドルと、1-3月期の9738億ドルから増加した。
部門別の利益動向をみると、地銀部門は前年同期比5.7%増の34億3100万ドルだったとはいえ前期の38億4400万ドルを下回った。資産運用・仲介・引退部門は25.3%増の5億4400万ドルで、前期の4億7500万ドルも超えている。ホールセール銀行部門(大企業・機関投資家・政府向け)は2.6%減の19億5200万ドルだった半面、前期の17億4200万ドルを上回った。
経費率は57.9%と、前期と変わらず。引当金は2億1700万ドルと、市場予想の4億500万ドル、および1-3月期の3億2500万ドル以下にとどまった。総資産利益率(ROA)は1.4%と、1-3月期の1.57%以下に。株主資本収益率(ROE)は13.40%と前期の14.35%を下回った。中核的自己資本(コアTier1)比率は11.31%と、バーゼル3基準となる7%を上回っている。
ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は住宅ローン部門の減速を受け、クレジットカードや自動車ローンの貸出に注力するほか、投資銀行業務、資産運用部門などでの補完を図っている。
決算発表を受け、各アナリストの間で投資判断と目標株価の据え置きが優勢だった。ISIグループは、目標株価を従来の52ドルから54ドルへ上方修正。投資判断は「買い」で据え置いた。なお各アナリストの内訳をみると、「買い」は47.5%、「保有」は47.5%、「売り」は5.0%。平均の目標株価は、4.3%となる。
——本日、決算を受けてウェルズ・ファーゴは51.49ドル(0.32 ドル安、0.62%)で引け。下落した背景は、1)減収、2)純利益マージンの鈍化、3)鈍い住宅ローン貸出の回復ペース、4)イマイチな住宅ローン以外の貸出--などが挙げられます。各部門の貸出動向が活発とはいえず住宅ローン部門の収入鈍化をどのように穴埋めできるか不透明な状況では、売りで反応せざるを得なかったのでしょう。
(カバー写真 : New York Times)
Comments
W杯決勝戦、ドイツVSアルゼンチンを余裕で見守る真の勝者とは? Next Post:
ハーレムでブランチするなら、ミモザ片手にバラワイン