New Home Sales At 6 Years, West Accounted For Two-Thirds Of The Overall Gain.
米8月新築住宅販売件数は前月比18.0%増の50.4万件となり、市場予想の43.0万件より強い結果となった。前月の42.7万件(41.2万件から上方修正)に続き2ヵ月連続で増加し、2008年5月以来の50万件乗せを果たしている。伸び率は、1992年1月以来で最大を記録した。
4大地域別では、3地域で増加。7月の2地域を上回った。今回は西部が前月比50.0%増(3ヵ月ぶりに増加)と2008年1月以来で最高を達成し15.3万件だったほか、北東部も29.2%増(3ヵ月ぶりに増加)の3.1万件と全体をけん引。南部は7.8%増の26.2万件と、2ヵ月連続で増加している。中西部のみ、前月と変わらずの5.8万件だった。
在庫総数は前月比1.0%増の20万3000件。景気回復サイクルで最高の水準を示す。販売件数が増加したため、在庫相当は7月まで2ヵ月連続で5.6ヵ月を経て、4.8ヵ月と2013年6月以来で最も短縮した。
中央価格は27.56万ドルとなり、前年比では8.0%の上昇と4ヵ月連続でプラスだった。前月比では1.6%下落し、前月の1.1%を含め米7月住宅価格指数が示すように3ヵ月連続で低下していた。
BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「3ヵ月平均は45万件と7月までの43万4700件を上回っており、大寒波から回復した4−6月期に続き7−9月期の住宅投資は下方リスクがくすぶるものの増加が期待できる」と予想した。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、反対に「地域別動向をみると西部の増加が全体の3分の2を占めており、北東部の2桁増も過去2ヵ月に減少した反動といえる」と慎重な見方を示す。また「2006年の100万件超えの半分にとどまるほか、1990年代の80―90万件台にも及ばない」として、住宅市場の回復ペースに疑問を寄せた。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)が発表した住宅ローン申請件数指数をみてみましょう。
9月19日週の米MBA住宅ローン申請件数指数は、前週比4.1%低下だった。新規購入指数が0.3%低下、借換指数も7.0%低下とそれぞれ指数を押し下げている。なお新規購入指数の前年比は16%、借換指数は31%とそろって低下した。
住宅ローン申請件数指数、改善の兆しはみえず。
(出所:BNP Paribas)
調査対象の30年住宅ローン金利平均(41万7000ドル以下)は、4.39%。3週連続で上昇するなか約4ヵ月ぶりの高水準を示し、2013年5月31日週からの4%水準を保つ。なおMBA住宅ローン申請件数は個人の申請数のみを扱い、却下される場合がある。
全体的にみると、米8月新築住宅販売件数の好結果は金利低下に基づく駆け込み需要だった可能性は捨てきれず。今後の行方を占う上で、ローン申請件数の力不足も否めません。第1弾の利上げ時期を意識し米長期金利が上昇する懸念もあり新規住宅購入者が順調に増加するか未知数であるなか、米8月中古住宅販売件数で投資家の購入が減少していたのも気になります。
本日寄り前に発表した住宅建設大手KBホームの6−8月(第3四半期)決算で、売上高は7.3%増の5億8920万ドルながら市場予想の6億4680万ドルを大幅に下回りました。建設計画および住宅ローン申請承認の遅延が影響し、引き渡し軒数が1793軒と前年同期の1825軒を下回ったことが響いています。受注残は13%増の3432軒、潜在売上高は11億ドルと前年同期の8億850万ドルを37%上回り2008年以来で最大を記録していますが株価は一時6超も沈んでおり、少なくとも見通しに楽観的になれなかったことがうかがえますね。
(カバー写真 : AP)
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