Falling Oil Prices Poise To Put Pressure On Manufacturing Sentiment.
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文は、2015年の利上げを念頭に入れた内容ながらハト派寄りなスタンスも挟み込んできました。
原油安イコール物価下押しという図式だけでなく、製造業活動の鈍化や設備投資減速が予想されるだけに、出口戦略へ向かいアクセルばかり踏んでいられないのでしょう。足元で製造業景況指数が下向いていれば、なおさらです。
本日発表の米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は24.5と、市場予想の26.0を下回りました。前月の40.8からも大幅に低下。新規受注が15.7と前月の35.7から大きく下方向へ傾いたほか、雇用も7.2と前月から15.2ポイントも急落しています。仕入れ価格は14.0と、前月の17.3以下に。6ヵ月見通し指数は51.9と、前月の57.7以下となりました。
米12月NY連銀製造業景況指数も2013年1月以来、約2年ぶりに分岐点のゼロを割り込んでいましたよね。静かに着実に、原油安が製造業を蝕んでいるようにみえます。こちらで指摘したように、石油生産に依存する州ともなれば原油安の打撃から逃れることはできず、南部をはじめ製造業のセンチメントも悪化すること必至です。
JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストによると、全米の石油生産の約40%を担い、過去5年間での原油増産のうち67%を占めるテキサス州では1986年の悪夢が甦りかねないといいます。1986年に原油価格が50%下落した当時、1985年末に全米平均と一致していた失業率は2.6%ポイントも跳ね上がりました。
テキサス州の失業率、86年以降に上昇。
(出所:JP Morgan)
そのほか、ノースダコタ州、アラスカ州なども原油安の魔の手が伸びようとしています。景気減速による州政府の財政収支悪化、住宅市場への影響を踏まえると、Fedが利上げを急がない理由が垣間みれますね。
(カバー写真:America and the global economy)
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