Automakers Report ‘Blockbuster December’ Sales Accelerated By Cheaper Gasoline Prices.
米12月新車販売台数は、ビッグ3そろって前年比プラスを達成した。ホリデー商戦の値引きやガソリン価格の下落という追い風を背景に、トラックやスポーツ多目的車(SUV)がけん引している。
オートデータが発表した米12月新車販売台数は、前年同月比136万台と市場予想に並んだ。年率では1692万台と、市場予想の1690台とほぼ一致。前月の1720万台を下回った。2014年通年では1652万台となり、自動車情報サービス会社エドマンズ・ドットコムの予想「1640万台」を小幅に超え、2006年の水準にほぼ一致した。
ケリー・ブルー・ブックによると、平均販売価格は前年同月比3%上昇の3万4367ドル(約412円)。前月比でも、1.6%上昇していた。トゥルーカーの試算では、前年比1.9%上昇の3万3168ドル(約398万円)となる。一方で、販売奨励費用は1台当たりにつき161ドル上昇の2900ドル(約34万8000円)となり、11月の1台当たり割合平均8.7%から8.8%へ上昇していた。
ガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も堅調なペースを予想する向きが多い。トゥルーカーは「1700万台」を予想するほか、ロイターによるとアナリスト予想も「1670万—1700万台」に集約しているという。ただしモルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は新車販売台数が「融資基準の緩和」を通じ、賃金や成長率の伸びを上回ったと指摘。2015年は2006年以来の利上げが見込まれる背景もあり、一部では慎重な見方も浮上しつつあるようだ。
以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。
GMは前年同月比19.3%増の27万4483台となり、市場予想を超えた。単月では2007年以来の高水準を記録。4ブランド別では、キャデラックを除きそろって前年比プラスを示した。特にビュイックが32.4%増の2万357台と力強く伸び、「エンクレーブ」や「アンコール」が単月ベースで史上最高に達した。GMCは、23.0%増の5万3038台。シボレーも20.5%増の18万4938台と貢献し、「コルベット」と「スパーク」は単月ベースで過去最高に達した。キャデラックのみ11.1%減の1万6150台だった。GMの年間販売台数は5.3%増の293万5008台となる。
フォードは、1.2%増の22万671台と市場予想の3.8%増には届かず。新型「マスタング」と「F−150」の在庫不足が重しとなったものの、3ヵ月ぶりプラスに転じた。ブランド別ではフォードが0.4%増の21万981台となり、特に「マスタング」は66.1%増の9511台と2006年以来で最高を記録した。大型SUV「エスケープ」は、単月で過去最高となる。ただしトラック「Fシリーズ」が0.3%減と引き続き、マイナス基調を維持。小型車「フュージョン」も5.1%減の2万3166台だったが、年間で30万台を突破し過去最高を更新した。リンカーンは21.4%増の9690台と、2009年以来で最高に。SUVの「ナビゲーター」が90.2%増の6127台と急増し全体をけん引しており、セダン「MKZ」が6.6%減を示すなどその他は前年比割れが目立った。フォードの2014年の販売台数は、0.5%減の248万942台だった。
フィアット・クライスラー・オートモビルは、20.1%増の17万839台だった。前年比プラスは57ヵ月連続を迎え、単月ベースでは2001年以来で最高を達成している。ブランド別では、4ブランドが前年比プラスに。ラムが31%増だったほかクライスラーも53%増の3万930台、ラムも35%増の4万8628台だった。ジープも19%増の6万3274台となり単月ベース、年間ともに過去最高を記録している。フィアットも1%増の3784台で、年間ベースで最高を示現した。ドッジのみ、2%減の4万6578台となる。フィアット・クライスラーの2014年販売台数は200万台を超え、2006年以来で最高に達した。
日本車をみると、タカタ製エアバッグの問題でリコールが相次ぎながら日産以外が前年比で増加した。トヨタが前年同月比12.7%増の21万5057台となった。ブランド別では、トヨタが12.2%増の17万5178台。レクサスは、14.7%増の3万9879台と過去最高を樹立した。2014年販売台数は、6.2%増の237万3771台だった。
ホンダは、1.5%増の13万7281台だった。ブランド別ではホンダが0.1%減の11万9472台となり、乗用車が7.9%減でトラックが1.3%増だった。年間ベースは、1.0%増の137万3029台で史上最高を記録している。アキュラは13.1%増の1万7809台と2ヵ月連続で増加、年間ベースでは1.5%増の16万7843台と2007年以来で最高だった。年間の販売台数は1.0%増の154万872台となり、過去2番目をマークした。日産は、6.9%増の11万7318台と単月での過去最高更新を示現した。ブランド別では日産が9.1%増の10万5311台、インフィニティは9.3%減の1万2007台だった。日産の2014年販売台数は11.1%増の138万6895台となり、過去最高を塗り替えた。
12月版:自動車メーカー別のシェア
2014年版:自動車メーカー別シェア
(出所:Good Car Bad Car)
高級車部門別でトップに立ったのはBMWグループのうちMINIを除くBMWブランドで、前年同月比11%増の4万1526台を記録した。2014年通年でも9.8%増の33万9738台と、宿敵であるダイムラーのメルセデス・ベンツを上回り首位を飾った。2位はレクサスで14.7%増の3万9879台。3位はメルセデス・ベンツで4.1%増の3万7297台に甘んじ、前月のトップから陥落した。年間でも、6.5%増の35万6136台と前年の1位を堅持できなかった。
4位はGM傘下のビュイックで32.4%増の2万357台だった。5位のフォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディは15.2%増の1万9238台と、単月ベースで48ヵ月連続で過去最高を更新。年間では15.2%増の18万2011台と、こちらも過去最高を塗り替えた。
その他の海外メーカーではアウディを除くVWは0.1%増の3万4058台と、3ヵ月連続で増加した。小型車「ゴルフ」が過去最高の179%増の2379台とけん引したほか、セダン「ジェッタ」も6.2%増の1万45727台と寄与している。ヒュンダイは、2.4%増の6万4507台と前月からプラスに転じた。
▽12月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)
1位 アルティマ(日産)30.3%増の3万2331台、前月は6位
2位 カムリ(トヨタ)5.5%増の3万1618台、前月までトップ
3位 アコード(ホンダ) 2.3%減の3万1589台、前月も3位
4位 カローラ(トヨタ) 33.5%増の3万125台、前月は2位
5位 シビック(ホンダ)12.6%減の2万5337台、前月は4位
6位 フュージョン(フォード) 5.1%減の2万3166台、前月は7位
7位 BMW 3、4シリーズ(BMW) 16.3%増の1万9464台、前月は11位
8位 エラントラ(ヒュンダイ) 13.1%減の1万8860台、前月は14位
9位 ソナタ(ヒュンダイ) 23.8%増の1万7924台、前月は8位
10位 クルーズ(シボレー、GM) 2.0%減の1万7800台、前月は5位
▽2014年版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)
1位 カムリ(トヨタ)4.9%増の42万8606台、前年もトップ
2位 アコード(ホンダ)5.9%増の38万8374台 前年も2位
3位 カローラ(トヨタ) 12.3%増の33万9498台、前年は5位
4位 アルティマ(日産)4.7%増の33万5644台、前年も4位
5位 シビック(ホンダ)3.0%減の32万5981台、前年は3位
6位 フュージョン(フォード) 3.9%増の30万6860台、前月も6位
7位 クルーズ(シボレー、GM) 10.0%増の27万3060台、前月も7位
8位 エラントラ(ヒュンダイ) 10.4%減の22万2023台、前月も8位
9位 フォーカス(フォード) 6.4%減の21万9634台、前月も9位
10位 ソナタ(ヒュンダイ) 6.5%増の21万6936台、前月も10位
▽2014年版:SUV新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)
1位 CV-R(ホンダ)10.2%増の33万5019台、前年もトップ
2位 エスケープ(フォード)3.5%増の30万6212台 前年も2位
3位 RAV4(トヨタ) 22.7%増の26万7698台、前年は4位
4位 エキノックス(シボレー、GM)1.7%増の24万2242台、前年は3位
5位 エクスプローラー(フォード)9.1%増の20万9994台、前年も5位
6位 ローグ(日産) 22.4%増の19万9199台、前年は7位
7位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー) 5.5%増の18万3786台、前年は6位
8位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー) 592%増の17万8508台、前年は25位圏外
9位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー) 12.7%増の17万5328台、前年は8位
10位 フォレスター(スバル) 29.4%増の15万9953台、前年は12位
(カバー写真:Ford)
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