What Does Pharrell And Prince Have In Common At Grammy?
第57回グラミー賞が盛大に開催されました。今年も、MCはグラミーの看板と化したLLクールJ。AC/DCがオープニングを飾り、マドンナが新曲”Living For Love”を披露し、豪華そのものでございましたよ。
マドンナ姐さんは、1994年のヒットソング”Take A Bow”と反対に自身がマタドールのコスチュームをまとって登場。
(出所:John Shearer/Invision/AP)
AD/DCの会場を飲み込むド迫力パフォーマンスには、カンニング・ペーパーならぬテレプロンプターが用意されておりました。あれだけ激しいステージで、果たして役に立ったのか甚だ疑問です。
(出所:Twitter/Washington Post)
エド・シーランのライブでは、なぜかジョン・メイヤーがコーラスとギターを担当。ジョンといえば、テイラー・スウィフトの元恋人ですよね。エドの親友こそテイラーですが、音楽に敵味方もないというメッセージなのでしょうか。
ベスト・ポップ賞を含め複数の賞を獲得したファレルが”Happy”をアレンジして熱唱した姿は全米に衝撃を与えました。イントロは、軽快なトーンから一転しダークそのもの。舞台に立つファレルの衣装がゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカル部門で作品賞に輝いた映画”グランド・ブタペスト・ホテル”風にも関わらず、まるでオペラ座の怪人が開幕したかのよう。タイトルそのもののハッピー・ゴー・ラッキーなムードは微塵も感じさせません。ダンサーの衣装もゴスペル風であるほか、黒いフード付きトレーナーと非常に対照的です。
しかも、このポーズ。
(出所:Youtube)
2014年には、ミズーリ州ファーガソンやNYで黒人青年が警官に殺害される事件が相次ぎましたよね。ファレルのパフォーマンスは、ダンサーとともに両手を上げて「撃たないで」とアピールするポーズを取り入れることで、全米で広がる”BlackLivesMatter(黒人の命も大事)”運動をサポートしていたんです。ファレルだけでなく、音楽界の殿下ことプリンスもベスト・アルバム賞を発表する際に「アルバムも黒人の命も大事だよね」と支援していました。
その殿下がプレゼンしたベスト・アルバム賞には、ベックが輝きました。ステージに上がったベックについてきたのは、誰あろう6年ぶりにパフォーマンスした黒人ラッパーのカニエ・ウェスト。そう、2009年のMTVビデオ・ミュージック・アウォーズでの一件を自身でパロディしたかたちです。当時、ビヨンセを差し置いて最優秀女性アーティスト・ビデオ賞を受賞したテイラー・スウィフトのスピーチを妨害したのは、あまりにも有名ですよね。カニエ流のジョークだったのかすぐに立ち去ったのですが、ベックは舞台を降りるカニエを手招きする余裕っぷり。後ろで佇むアフロヘアのプリンスは、チャーミングに微笑んでおられましたよ。
レコード・オブ・ザ・イヤーや新人賞など、主要な賞を総なめしたのは”Stay With Me”が世界的な大ヒットを記録したサム・スミス。2014年のマックルモアに続き、同性愛者のアーティストがスポットライトを浴びました。ファレルやプリンスによる”BlackLivesMatter”へのトリビュートのほか、今年はオバマ米大統領が女性へのレイプ・性的暴力撲滅キャンペーン”It’s On Us”をアピールしていたこともあり、マイノリティへのグラミーとして記憶されることでしょう。
(カバー写真:John Shearer/Invision/AP)
Comments
スポーツ・イラストレーティッド誌、米株をホットにサポート Next Post:
【追記】西海岸の港湾スト、米経済への損害額は1日21億ドルも?