Hillary Clinton Announces 2016 Bid For U.S. Presidency.
ヒラリー・クリントン前国務長官は12日、支持者に対しeメールにて正式に出馬を表明しました。夫であるクリントン元米大統領の首席補佐官を務め、ヒラリー氏の首席アドバイザーであるジョン・ポデスタ氏が配信したeメールには「私自身から伝えよう、ヒラリーは正式に米大統領選に出馬する」と明記。ついに、民主党の本丸が動いたことになります。共和党でティーパーティー寄りのテッド・クルーズ米上院議員(テキサス州)、ランド・ポール米上院議員(ケンタッキー州)に続き、3人目です。
ヒラリー側はNY市で最もヒップな地域、ブルックリンに陣営を構えました。
(出所:Jennifer Palmieri/Twitter)
2016年米大統領選における民主党側の最右翼といえば、6日にヒラリー氏自身のツイッターでこんなつぶやきを発信し話題になりました。
「中国は、女性活動家の身柄拘束をやめなければならない(The detention of women’s activists in #China must end)」。はい、mustを使った強い表現を用いています。中国で家庭内暴力や性的嫌がらせ撲滅を目指す女性活動家5人が1ヵ月以上にわたり警察当局に拘束された問題への、抗議活動の一環です。女性の地位向上問題はファーストレディー時代から取り組んでいただけに、目新しいケースではありません。ただ、米大統領選の出馬直前のツイートという点で興味深いと言えるでしょう。
思い起こせば1995年、当時ファーストレディーだったヒラリー氏は北京で開催された国連主催の第4回女性会議にて「自由とは人が集い、組織を形成し、オープンに議論できる権利を意味する」と発言していました。さらに、「政府と見解を異にする立場を尊重するという意味でもある」との認識を表明。あれから、ちょうど20年にあたります。
もっと辛辣な意見は、2011年に飛び出していました。ザ・アトランティックとのインタビューで「人権に関する記録は嘆かわしく」、当時メディアをにぎわせていた”アラブの春”に対し中国は脅威として受け止めているとの認識を打ち出していたのです。はっきりと「中国側は(アラブの春を)懸念しており、歴史の針が動くのを止めようとしているが無駄足に過ぎない。中国は流れを変えられず、できる限り先延ばしを試みるだろう」と述べ、中国の一党独裁体制における終焉を予想していました。
同誌でヒラリー氏をインタビューしたジェフリー・ゴールドバーグ記者は、この箇所をめぐりレーガン元大統領の認識を彷彿とさせると振り返ります。1976年の米大統領共和党予備選に敗北してから1年後の1977年、対外政策のアドバイザーだったリチャード・アレン氏(政権発足後に国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任)に対し、レーガン氏は冷戦終結への目標として、このような見方を明らかにしました——「ソビエト連邦に対する米国の政策はシンプルで、極めて単純明快という声も出るだろう。即ち、我々が勝利を収めソ連は敗北する」——実際に1977年から14年後、レーガン元大統領が1981年から1989年までの任期を終えてから2年たった1991年、ソ連は崩壊を迎えたというわけです。
奇しくも2015年。ソ連に代わって中国が台頭しアジアインフラ投資銀行(AIIB)を旗揚げ世界の”覇権”を米国から奪おうとする今、クリントン陣営がどんな外交政策を取り入れるのか。正式にヒラリー氏が出馬表明したいま、AIIBへの参加を見送ったオバマ政権と合わせ、その動向に関心が高まること必至です。
(カバー写真:U.S. Department of State/Flickr)
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