Wells Fargo

ウェルズ・ファーゴ1−3月期決算、増益記録を18四半期で止める

by • April 14, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2920

Wells Fargo Profit Falls For The First Time In 4 years, Lending Margin Weighs.

住宅貸出で最大のウェルズファーゴが14日に発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比1.6%減の58億ドルだった。過去最高だった前年同期の58億9000万ドルを下回り、19期ぶりに減益に転じている。希薄後の1株当たり利益は1.04ドルと、アナリスト予想の0.98ドルより強い。収入は3.2%増の212億8000万ドルと、市場予想の212億4000万ドルを上回った。

純金利マージンは2.95%となり、2014年10−12月期の3.04%および前年同期の3.20%を下回った。純金利収入は3%増の109億8600万ドルだったとはいえ、2014年10−12月期の111億8000万ドルからは減少している。手数料(非純金利)収入は3%増の102億9200万ドル。トレーディング業務、債券業務、住宅ローン組成業務が支え、2014年10−12月期の102億6000万ドルを超えた。非金利費用は5%増の125億700万ドルとなり、従業員向けインセンティブなどが押し上げた。

ローン残高は前年同期比5%増の8612億ドルと、2014年10−12月期の8494億ドルを超えた。中核ローンも7%増の8027億ドルと、2014年10−12月期の8018億ドルを上回る。中核の貸出動向をみると、企業部門は前期比0.2%増4146億ドル、消費者部門は3880億7700万ドルで、2014年10−12月期の3880億6200万ドルから微増。貸出基準の甘さが指摘されていた自動車部門は前年同期比7%増、前期比1%増の563億ドルだった。自動車ローン組成額は71億ドル。前年同期比10%減だったものの、前期比では6%増だった。なおウェルズ・ファーゴは3月、サブプライム層向け自動車ローンに上限を設定したと報じられた。

住宅ローンをはじめ、貸出は前年比で軒並み増加。
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(出所:Wells Fargo)

住宅ローン部門の利益(金利を除く)は、前年同期比7.3%減の15億4700万ドル。2014年10−12月期の15億ドルを上回り、大寒波の打撃を受けた前年同期の15億1000万ドルからも改善を示した。住宅ローン組成額は36%増の490億ドル、2014年10−12月期の440億ドルから11%増加した。借換が55%を占め、新規は45%となる。

住宅ローン組成のうち、新規は3期連続でシェア低下。

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(出所:Wells Fargo)

預金残高平均は前年同期比9%増の1兆2000億ドルとなり、2014年10−12月期の1兆1000億ドルから増加した。中核の預金残高平均は9%増の1.1兆ドルと、1.04兆ドルから増加した。

部門別の利益動向をみると、地銀部門は前年同期比5%増の37億ドルとなり、2014年10−12月期の34億3500万ドルから増加した。資産運用・仲介・引退部門は18%増の5億6100万ドルとなり、2014年10−12月期の5億1400万ドルも上回った。ホールセール銀行部門(大企業・機関投資家・政府向け)は3%増の18億ドルで、減少トレンドに終止符を打っている。ただし2014年10−12月期の19億7000万ドルからは減少した。

経費率は58.8%と、2014年10−12月期の59.0%から低下。引当金は6億800万ドルし、2014年10−12月期の4億8500万ドルおよび前年同期の3億2500万ドルから拡大させた。総資産利益率(ROA)は1.38%と、2014年10−12月期の1.36%から上昇した。株主資本収益率(ROE)も13.17%と、2014年10−12月期の12.84%を超えている。中核的自己資本(コアTier1)比率は最新版で10.53%で、2014年10−12月期の10.44%を上回った。

ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「預金動向が示すように顧客との関係強化を続けたほか、低金利を恩恵とする住宅ローン部門での借換を支援することができた」と振り返った。また「資本水準は力強い」と評価し、資本計画が当局に承認されたように4−6月期の配当を1株当たり0.375ドルにする方針を示した。

——エネルギー関連企業のエクスポージャーが高いとされていたものの、目立って業績を圧迫した様子はみられず。むしろ純金利マージンが縮小を続けるように、低金利がボディブローのように利いている模様です。また今回1株当たり利益こそ市場予想を上回ったものの、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙で引用されたマッコーリーのアナリストは「税制効果をはじめ住宅ローン関連のヘッジ、証券売却など一連の押し上げなしでは予想以下に終わっただろう」と指摘。一時要因がはく落する4−6月期を見据え、株価はNY時間の午後12時45分時点で1.3%下落していました。

(カバー写真:Ken Teegardin/Flickr)

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