Core Consumer Price Index Picks Up, Supporting Fed’s Rate Hike.
米3月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。2008年12月以来の水準へ沈んだ1月の0.7%の低下を経て、2月に並ぶ上昇を示す。原油安一服を背景にエネルギーが1.1%の上昇と、前月の1.0%と合わせ2ヵ月連続でプラス圏を確保した。特に、ガソリン価格が3.9%上昇。2013年2月以来の高水準となり、全体を押し上げている。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落した後、3月9日週には2.487ドルまで上昇していた。一方で食品・飲料は0.2%低下し、前月の0.1%の上昇からマイナス圏へ転じ2013年5月以来の低水準だった。
CPIコアは前月比0.2%の上昇となり、市場予想および1−2月の数字に並んだ。四捨五入前では0.23%となり、2014年5月以来の高水準となる。モノのコアCPIも0.3%上昇、2011年8月以来の高い伸びを達成した。シェアの大きい帰属家賃は前月まで7ヵ月連続で0.2%を経て、今回は0.3%へ上向いた。住宅は0.1%となり、前月の0.2%から鈍化している。家賃は0.3%と、7ヵ月連続で上昇。サービスは0.1%と、堅調な上昇トレンドを保つ。ホリデー商戦の値引きが一服し、服飾は前月まで0.3%を経て今回は0.5%と伸びを拡大した。自動車も0.6%と、前月の0.3%をはじめ足元のトレンドより強い伸びを示す。娯楽は0.1%の上昇となり、前月の横ばいからプラスへ反転。医療費も2ヵ月連続で横ばいを経て、0.3%へ上振れした。教育は横ばいとなり、前月の0.1%低下から改善した。航空運賃は、燃料サーチャージの下落もあって1.7%の低下と前月からマイナスへ転じた。
CPIの前年比では0.1%の低下となり、前月の±0%から弱含んだ。2009年10月以来初めてマイナスに落ち込んだ1月の水準に並ぶ。反対にCPIコアの前年比は1.8%の上昇となり、2014年10月以来の高水準。2月の1.7%および11ヵ月ぶり低水準だった1月の1.6%から、改善を続けた。
BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受け「インフレが上向くとの見方を裏付ける」と評価。米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は16日に「賃金が上昇しつつある兆候を確認している」、「数年以内に(インフレ目標値の)2%へ達するだろう」と述べていた。
米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は95.9、市場予想の95.0を上回った。前月の95.4も超え、2004年1月以来の高水準を遂げた1月の98.1に続き2番目に強い数字となる。現況指数が108.2と前月の105.0を抜け3ヵ月ぶりの水準へ上振れしたほか、見通し指数も88.0と前月の85.3を抜け2月の高水準に並んだ。
インフレ見通しは1年先が2.5%と、前月の3.0%から鈍化し3ヵ月ぶり低水準。5−10年先は2.6%と、前月の2.8%を下回り5ヵ月ぶりの低水準に並んだ。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「『住宅を購入するのに良い時期』との回答が80%と前月の75%から改善し2月の水準を回復したほか、自動車の購入に前向きな回答も70%と前月の66%を超え3ヵ月ぶりの高水準だった」と指摘。背景に「ガソリン価格の下落」を挙げ、消費が改善する見通しを描いた。
米3月景気先行指数は前月比0.2%上昇し、市場予想の0.3%を下回った。前月分も0.2%から0.1%へ下方修正。今回の結果に寄与した項目は長短金利スプレッド、信用、米新規失業保険申請件数、消費者見通しとなった。
——全般的に、年内利上げをサポートする内容となっています。6月利上げ派は、待ってましたとばかりに手を叩いたのかもしれません。逆に年内利上げ見送りを期待していた筋には、冷や水を浴びせたことでしょう。本日は中国が”影の銀行”を通じた株式取得向け資金を規制したほか、空売り用の貸株を機関投資家向けに承認したことも重なり、ダウ平均の下げ幅は一時357.24ドルまで拡大。ゼネラル・エレクトリックなどの失望を誘う決算も重なり、大幅安となりました。
(カバー写真:Reuters)
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