Want To Attack Someone? Use This App If You Are In China.
時は西暦2015年。手のひらで操作できるスマートフォンで、何でもできるようになりました。通話やテキスト、ネット閲覧はもちろん、”シームレス”でレストランから出前を注文できたり、”ウバー”や”リフト”で配車サービスを手配したり、健康管理やフィットネス記録をフォローしたり、例を挙げるときりがありません。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立を通じアメリカと覇権争いを深化させつつある中国では、ニューヨークから一歩も二歩も先を行くこんなアプリが誕生し衝撃を与えました。
その名は「滴滴打人(Didi Da Ren)」、英語に直すと「Didi Hit People」です。お分かりですね?日本語で意訳すると「人、殴ります」、必殺仕事人ならぬ”お仕置き人”を雇うアプリなのです。アンドロイド向けとして登場し、瞬く間に中国全土で話題を呼びました。
仕組みは、簡単。利用者がアプリを通じて雇う意向を示すと、相手を懲らしめる程度に合わせた金額が出てきます。実際に手を下す”お仕置き人”は元軍人に始まり、チンピラ、ならず者からジムのコーチまで、それぞれ腕っ節に自信のある面々が並ぶとか。ニューヨーカーを震え上がらせたノックアウト・ゲームでは少年達が実行犯だった一方、このサービスでは確信犯の大人が拳を唸らせます。気になるお値段は、200〜500元(30〜80ドル)也。日本円で3600円〜9600円だなんて、激安でお手軽過ぎやしませんか?
アプリの表示は、こんな形式。
(出所:Want China Times)
誕生秘話は、こうです。デイリー・ニュース紙によると、中国のオンライン・トークショーで交わされたジョークをヒントにテクノロジー会社Changsha Zhang Kong Information Technologyが開発してしまったそうな。同社は「殺し屋を提供しない」と否定していますが、死にいたるケースが飛び出すこと必至で危険極まりない・・。
というわけで、もちろんこの暴力を助長する恐るべきアプリは撤収されました。善良な市民の皆さまは、類似アプリを開発して違法にビジネスを立ち上げないようにお願いします。
(カバー写真:Philip Brookes/Flickr)
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