Earnings Roundup : Linkedin, Visa, AIG, Gilead Sciences, Expedia.
30日の決算発表をお送りします。リンクトイン、ビザ、AIG、ギリアド・サイエンシズ、エクスペディアのうち、リンクトインは惨憺たる見通しを背景に時間外取引にて大幅安に。ビザは決算こそ悪くなかったものの、費用拡大を嫌気され下落しています。AIG、ギリアド、エクスペディアは順当な決算で上昇しました。
▽リンクトイン
就職・転職向けソーシャルメディアが発表した1−3月(第1四半期)決算では、純損失が前年同期比3倍増の4億2400万ドルだった。 調整済み1株当たり利益は0.57 ドルとなり、市場予想の0.56ドルより強い。収入は34.8%増の6 億3800万ドルながら、市場予想の6億3600万ドルを下回った。米国の収入が3億8900万ドルで、全体の61%を占める。海外は2億4800万ドルで39%だった。
収入の部門別動向は、以下の通りで%は前年比を表す。
>タレント・ソリューションズ(法人向け採用)
36%増の3億9600万ドル、収入全体でのシェアは62%
>マーケティング・ソリューションズ(広告)
38%増の1億1900万ドル、収入全体でシェアは19%
>プレミアム会員
28%増の1億2200万ドル、収入全体でのシェアは19%
4−6月期の収入は6億7000万〜6億7500万ドルとし、アナリスト予想の7億1750万ドルを大幅に下回った。調整済み1株当たり利益は、0.28ドルを予想。アナリスト予想平均の0.74ドルから大幅にかい離する結果となった。
右肩上がりトレンド、遂にピリオドを打つ。
(出所:Linkedin)
2015年通期の収入は29億ドルとし、従来の29億3000万〜29億5000万ドルから下方修正。調整済み1株当たり利益も1.90ドルを見込み、従来予想の2.95ドルから引き下げた。下方修正の背景に為替動向を挙げ、為替差損は当初予想より通期で5000万ドル、4−6月期で1300万ドル拡大する見通しだという。また、4月初めに教材ビデオ会社リンダと買収合意した費用を計上する方針も明かした。時間外取引で、株価は一時25%超もの大幅安を示現した。
▽ビザ
クレジットカード大手が発表した1−3月(第2 四半期)決算では、純利益が前年同期比3.1%減の15億5000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益が0.63ドルとなり、市場予想の0.62ドルより強い。営業費用が1%増の11億ドルで、今年はソチ五輪やW杯などビッグイベントを予定せずマーケティング費用が縮小した分を人件費が打ち消した。営業利益は3.8%増の31億1900万ドル。収入は8%増の34 億1000万ドルで、市場予想の33億4000万ドルを上回った。カード支払い総額は11%増の1兆2000万ドル、国際間の決済額は8%増となり、支出拡大が寄与している。
収入の部門別動向は以下の通りで、%は前年比を表す。
>サービス 2.5%増の15億7700万ドル
>データ・プロセス収入 9%増の13億ドル
>海外 11%増 9億6400万ドル
>その他 12%増の2億400万ドル
2015年度(2015年9月末終了)の見通しは収入につき2桁増、為替差損は2%で据え置いた。一方で、1株当たり利益伸び率を従来の15%増から10−15%増の下限へ下方修正。時間外取引で、株価は一時2.4%落ち込んだ。
▽AIG
保険大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比53.4%増の24億7000万ドルだった。中国人民財産保険など持ち株の一部売却で得た利益で押し上げられている。営業利益は2.9%減の16億9000万ドル。一時的項目を除く調整済み1株当たり利益は1.22ドルとなり、市場予想の1.19ドルより強い。決算に合わせ、最大35億ドルの自社株買いを発表した。時間外取引で、株価は一時0.6%上昇した。
▽ギリアド・サイエンシズ
バイオテクノロジー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比90.3%増の43億3300万ドルだった。調整済みの1株当たり利益は2.94ドルと、市場予想の2.32ドルより格段に強い。負担・費用が13.7%増だったものの、大幅増益を謳歌している。収入は51.9%増の75億9400万ドルで、市場予想の69億2000万ドルを遥かに上回った。
製品売上高は52%増の52.0%増の74億500万ドル。そのうち、主力のC型肝炎治療薬”ソバルディ”とハルボニ”が45億5000万ドルを占め、一部アナリストの市場予想の35億4000万ドルを大幅に上回った。”ソバルディ”が57.3%減の9億7200万ドルだったものの、2014年10月に米食品医薬品局(FDA)など当局から承認を受けたばかりの”ハルボニ”が35億7900万ドルと支えている。
2015年の製品売上高を280億〜290億ドルを見込み、従来の260億〜270億ドルから上方修正した。時間外取引で、株価は一時1.6%上昇した。
▽エクスペディア
オンライン旅行サイト大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が4410万ドルとなり前年同期の1430万ドルの赤字から黒字転換した。特殊項目を除く1株当たり損失は0.03ドルとなり、市場予想の0.07ドルより下げ幅を縮小。同社は2月、豪ネット予約のウォティフを完全買収していた。収入は14.4%増の13億7400万ドルで、市場予想の13億4000万ドルを上回った。ドル高の余波を除く場合は、23%増だったという。なお今回の決算には、エアアジアとの合弁会社”エアアジア・エクスペディア”の業績を含む。
総予約額は19%増の149億8600万となり、為替差損を除く場合は25%増に及ぶ。米国内が20%増の88億8700万ドル、海外が17%増の60億9800万ドルだった。総予約額に占める海外の割合は41%となる。
同社は2月に米同業のオービッツ・ワールドワイドと買収で合意しており、当局からの承認待ちの状態。時間外取引では好決算に反応し、一時4.5%上昇した。
*ビザの2015年度見通しに、1株当たり利益伸び率を加えて再送いたしました。
(カバー写真:galleryhip)
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