U.S. Overall Debt Up 2.8%, Smallest Rise In 4 Years.
米連邦準備制度理事会(FRB)は11日、1−3月期家計資産報告(旧・資金循環報告)を発表した。資料によると、家計・非営利団体の純資産は、84兆9250億ドル。2014年10−12月期の83兆2960億ドル(修正値)を1.9%上回り、2期連続で過去最高を更新した。
家計資産のうち、特に株式・投資信託が前期比4870億ドル増加。S&P500が2月以降に切り返し前期比0.4%高を示し、株式・投資信託の資産増加を支えた。ただし、2014年10−12月期7420億ドルから、増加幅を縮小している。
S&P500、2月以降に盛り返し株式資産は拡大。
不動産も住宅価格の値上がりを背景に5030億ドル増加し、全体を支えた。結果、ホーム・エクィティ(住宅の評価額から住宅ローンの残債を差し引いた価値)は不動産価値の55.6%を占め、2014年10−12月期の54.5%、7−9月期の53.9%を上回った。リセッションを脱してから、最高を更新し続けている。
国内債務は、前期比年率2.8%増の41兆7142億ドルだった。伸び率は、過去4年間で最小にとどまった。家計債務は2.2%増の13兆5684億ドルと、増加トレンドを維持。そのうち、消費者信用は前期比年率で5.6%増の3兆3639億ドルと2010年7−9月期以来、18期連続で増加した。新車販売台数が堅調だったように自動車ローンのほか、学生ローンが寄与している。住宅ローンは0.3%減の9兆3793億ドルと、4期ぶりに減少した。非金融セクターの企業は2011年1−3月期以来、17期連続で増加し7.2%増の11兆9726億ドル。連邦政府は0.4%減の13兆199億ドルと、2003年以来初めて減少に転じている。州・地方政府は4.8%増と2期連続で増加し、2兆9275億ドルだった。
家計債務は可処分所得に対し、106.5%。2014年10−12月期の107.5%から低下しただけでなく、10年ぶり低水準となる。2007年にピーク時は、135%を記録していた。
JPモルガンは、結果を受け「企業の純資産に対する債務比率は36.5%で約20年ぶりの低水準辺りにあり、資産負債比率も過去最低に近い」と指摘。利上げ開始に対する企業のキャッシュフローへの影響は「限定的」との見方を示した。
——企業だけでなく個人の家計債務比率も10年ぶりの低水準となっており、利上げという逆風に耐えられる可能性が強まりました。米5月小売売上高をはじめとした経済指標だけでなく、家計や企業の間でデレバレッジが進んだことも、金利正常化をサポート。着々と外堀が埋められている以上、来週16〜17日開催のFOMCで一段と明確な利上げサインを点灯させそうです。
(出所:Kevin Dooley/Flickr)
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