Mortgage Applications Rebounds Slightly Even With Low Rates.
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、5月6日週に前週比0.4%上昇し490.5だった。3週ぶりに上昇したものの、戻りは限定的。借換が0.5%上昇の1963.1と3週ぶりに反発し、新規も0.4%上昇の235.60と4週ぶりに切り返したものの、小幅にとどまる。ダウが最高値手前で頭打ちとなったほか米4月雇用統計が失望され金利低下を招いたものの、需要を喚起しきれなかった。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は18.6%上昇し、前週の14.3%から伸びを広げた。新規も14.2%上昇(前週は13.4%の上昇)、借換も23.0%の上昇(前週は15.8%の上昇)とヘッドラインに合わせ前週の伸びを上回った。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.82%と、前週の3.87%を下回った。1年前の4.00%を超えた。15年固定金利型(平均)は前週の3.09%から3.13%へ上昇。FHAのローン金利も3.79%と、前週の3.78%を小幅ながら上回った。
MBA住宅ローン申請件数指数、伸び悩みトレンド継続。
(作成:My Big Apple NY)
申請全体に占める借換の割合は52.8%と、前週の52.9%とほぼ変わらずとなった。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
▽米4月財政黒字は予想以下、カレンダー要因が影響
米4月財政収支は前年同月比1064.52億ドルの黒字と、市場予想の1070億ドルを下回った。前年同月の1567.09億ドルの黒字からは、32.1%減少している。5月1日が週末にあたるため4月末に歳出が前倒しされるなど、カレンダー要因が影響している。歳出が5.4%増の3319.80億ドルだった一方、歳入が7.1%減の4384.32億ドルとなり黒字減少につながった。
年度初来(2015年10月~2016年3月)までの財政赤字は前年同期比25.4%増の3545億9200万ドルと、2ヵ月連続で増加を示す。米議会予算局(CBO)の予想では、2016年度(2015年10月~2016年9月)の財政赤字は5440億ドル。2015年度の財政赤字は9%減の4390億ドルと2007年以来で最低だったが、7年ぶりに増加する見通しだ。2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認し、裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字拡大が見込まれている。
――MBA住宅ローン申請件数指数は、金利低下に大きく反応せず。米4月雇用統計を受けて、労働市場への楽観度が後退したのか。あるいは金利低下で需要が喚起されるのは翌週になるのか、注目です。米4月財政黒字は市場予想のほか、米議会予算局(CBO)の予想1090億ドルにも届かず。歳入の減少はカレンダー要因のほか所得税や法人税の減少が影響しており、所得税に限って言えば米4月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の鈍化と合わせ景気減速の兆しなのか注意したいところです。
(カバー写真:cyclotourist/Flickr)
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