Conservative Media Asserts How Trump Should Respond Against DPRK.
米韓軍事演習の終了を8月31日に控え、北朝鮮が29日早朝に弾道ミサイルを発射しました。北海道の上空を超え襟裳岬東方の太平洋上に落下し、日本だけでなく米国メディアでもニュース速報が相次いだものです。
今回で北朝鮮ミサイルが日本上空を通過したのは、以下の通り5回目となります。
1998年8月31日
長距離弾道ミサイル テポドン1号 日本上空を通過
2009年4月5日
長距離弾道ミサイル テポドン2号改良型 秋田県と岩手県の上空を通過
2012年12月12日
3段式長距離弾道ミサイル 沖縄・先島諸島付近を通過
2016年2月7日
長距離弾道ミサイル 沖縄を通過
2017年8月29日
弾道ミサイル 北海道 襟裳岬東方の太平洋上に落下
内閣官房によると、安倍首相は早速フィンランドを訪問中のトランプ米大統領と電話会談しました。トランプ米大統領は再度「100%日本と共にある」と発言し、北朝鮮へ圧力を強める方針で一致したといいます。
いつもはツイッター砲を放つトランプ米大統領、今回は北朝鮮のミサイル発射に対し日本時間の午後6時時点で一切反応していません。8月18日に首席戦略官を辞任したバノン氏率いる保守系メディアのブライトバートも、特に北朝鮮に関して報道せず。トップには、南北戦争を題材とした名作“風と共に去りぬ”批判に対する抗議として「黒人の73%は同作品を支持」と掲げていました。個人的に気になるニュースは、「マイケル・ムーア監督が2020年のトランプ勝利を予想」です。
必ずしも時事問題を扱わない、それがブライトバート。
(出所:Breitbart)
別の保守系メディア、ワシントン・エクザミナーは今回の北朝鮮のミサイルに対し迎撃ミサイルで応じなかったため日本の失敗、金正恩委員長と伝えます。その上でトランプ米大統領には、以下4つの対応策があると主張していました。
1.日米首脳間で日本上空を通過するミサイルに対し迎撃する合意を取り付ける
2.ヘイリー米国連大使による国連安保理への提案を通じ、中露から北朝鮮への機械、電子機器、石油精製品など輸出停止の制裁発動
3.北朝鮮と中国を視野に入れた太平洋軍の海軍攻撃能力の増強
4.トランプ米大統領の訪日に合わせ、日米同盟関係を強調する演説の実施
トランプ政権が切るカードは、果たしてこの中にあるのか、あるいは新たな策を講じるのか。少なくともトランプ米大統領がメッセージを発する上でツイッターではなくホワイトハウス発の声明や記者会見になどの形式に則るならば、ケリー首席補佐官の統率が利いた証左と解釈できるのではないでしょうか。政権が具体的な対応策に動きつつある可能性として、注視していきたいところです。
【追記】
・・・と考えをめぐらせていたら、遂にトランプ米大統領がホワイトハウス発の声明をリリースしました。
(出所:White House via Twitter David Wright)
声明の文末にある「あらゆる選択肢を有する」は、4月に北朝鮮がミサイル発射に失敗した折に安倍首相との電話会談で使用した表現でした。今回は明文化しただけに、表現の意味に重みが加わったかのようです。
(カバー写真:Andrea Williams/Flickr)
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