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米9月ADP全国雇用者数は7ヵ月ぶりの高水準、採用予定も急増

by • October 5, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1912

Private Sector Boosts Jobs, Hiring Plans Also Jump.

9月のADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数をおさらいしていきます。

米9月ADP全国雇用者数は前月比23.0万人増となり、市場予想の18.4万人増を上回った。前月の16.8万人増(16.3万人増から上方修正)も超え、7ヵ月ぶりの高水準となる。サービス部門と財部門ともに、改善した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADP全国雇用者数、7ヵ月ぶりの高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、サービス部門が18.4万人増と前月の14.5万人増(修正値)を上回った。内訳をみると、専門サービス(7.0万人増、前月は3.5万人増)が増加に寄与したほか、教育(4.4万人増、前月は3.4万人増)や貿易・輸送(3.0万人増、前月は2.9万人増)、金融(3.8万人増、前月は4.9万人増)も前月を上回った。一方で、娯楽(1.6万人増、前月は2.2万人増)が前月から鈍化した。

財部門(製造業、建設、鉱業)は4.6万人増と、前月の2.3万人増(修正値)を上回った。内訳をみると、原油先物が70ドル付近で安定推移するなか、鉱業(0.5万人増、前月は0.2万人増)、建設(3.4万人増、前月は0.3万人増)と前月を上回った。製造業(0.7万人増、前月は1.9万人増)のみ、前月以下となる。

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「労労働市場は力強い成長を続け、雇用は業種、企業規模など広範囲にわたる」との考えを寄せた。その上で、失業率は2019年9月頃には3%割れの余地があると見込む。

▽米9月チャレンジャー人員削減予定数は増加も、採用予定数も急増

米9月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比70.9%増の55,285人と増加に転じた。前月比でも43.7%増と2ヵ月連続で大幅に増加。年初来の人員削減予定数は前年比13.9%増の36万6,058人となった。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「米銀ウェルズ・ファーゴが人員削減の約半を占め、向こう3年で従業員の5~10%削減、最大で26.5万人と発表していた」と分析する。ただ、「労働市場は完全雇用の状態に近く、企業は従業員の確保が困難となっており、ウェルズ・ファーゴの大規模人員削減は別の企業にとって好材料となりうる」と指摘。労働市場の悪化を示す兆候にはないとの考えを示す。

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(作成:My Big Apple NY)

人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。チャレンジャー・グレイ・クリスマスの指摘通り、金融が全体を押し上げた。前月は1位が産業、2位が消費財、3位が小売、4位が金融、5位がヘルスケアだった。

1位 産業 24,418人(全体の44.2%)
2位 消費財 4,716人(全体の10.7%)
3位 小売 2,235人(全体の4.0%)
4位 金融 2,163人(全体の3.9%)
5位 ヘルスケア 2,106人(全体の3.8%)

州別動向は、年初来で以下の通り。前月は1位がカリフォルニア州、2位がニュージャージー州、3位がテキサス州、4位がオハイオ州、5位がニューヨーク州となり、今回は4位と5位が入れ替わった。

1位 カリフォルニア州 80,842人(全体の22.1%)
2位 ニュージャージー州 40,188人(全体の11.0%)
3位 テキサス州 24,330人(全体の6.7%)
4位 オハイオ州 21,435人(全体の5.9%)
5位 ニューヨーク州 18,829人(全体の5.4%)

リストラ実施の理由、単月のランキングは以下の通り。前月の1位はリストラ、2位が閉鎖、3位は破産、4位は需要鈍化、5位は移転となる。

1位 リストラ 37,818人(全体の68.4%)
2位 閉鎖 11,726人(全体の21.2%)
3位 M&A 2,058人(全体の3.7%)
4位 移転 1,118人(全体の2.0%)
5位 コスト削減 963人(全体の1.7%)

採用予定数は、前年同月比88.9%減の59万5,997人だった。前年比ベースで、2ヵ月連続で増加した。前月比では35倍近くに急増した。ホリデー商戦に合わせ、各小売業や輸送などが臨時雇用を発表したため、急増した。採用予定数は、9月単月で少なくとも2013年以降で最高となる。

セクター別では、以下の通り。前月は1位がコンピューター、2位が小売、3位が通信、4位が産業財、5位が電気機器だった。

1位 小売 422,830人
2位 輸送 168,188人
3位 製薬 1,500人
4位 消費財 1,400人
5位 サービス 560人

――採用予定数は大幅増だったほか、米9月ADP全国雇用者数が7ヵ月ぶりの高水準で、米9月ISM非製造業景況指数の雇用も過去最高でした。米9月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は8月に続き、好調な数字が期待されます。

なお、各社の臨時雇用の発表内容は、以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

今後発表されるであろう、アマゾンをはじめ他小売業の数字次第でどこまで伸びるかに注目です。逆に前年を上回らなくとも、ホリデー商戦以外での需要で採用活動が活発化したと考えられる。いずれにしても労働市場は引き続き足元では絶好調と言えるでしょう。

(カバー写真:Michael Tappy/Flickr)

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