ISM Non-Manufacturing Hovers Around 21-Year High.
10月のISM非製造業景況指数と、IHSマークイット・サービス業PMI・確報値をおさらいしていきます。
米10月ISM非製造業景況指数は60.3となり、市場予想の59.0を上回った。1997年8月以来で最高となった前月の61.6に届かなかったとはいえ、ハリケーン”フローレンス”や”マイケル”を跳ねのけ、金利上昇や追加関税措置にもめげず、良好な水準を保つ。
ISMは、結果を受け「現況のビジネスと経済にポジティブ」とし、センチメントの力強さを評価した。もっとも8〜9月に続き企業は「稼働能力や物流のほか、追加関税措置」について、懸念を寄せたという。業種別では、9月と同じく18業種中17業種が拡大を報告した。縮小した業種は教育サービスで、前回のゼロから増えた。
内訳をみると、ビジネス活動が2004年1月以来の高水準だった前月から低下したほか、雇用も過去最高だった前月に届かず米10月雇用統計・非農業部門就労者数ほど力強さをみせなかった。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 62.5<前月は65.2と2004年1月以来で最高、6ヵ月平均は61.7
・新規受注 61.5<前月は61.6と3ヵ月ぶり高水準、6ヵ月平均は60.7
・雇用 59.7<前月は62.4と過去最高、6ヵ月平均は57.1
・新規輸出受注 61.0=前月は61.0、6ヵ月平均は59.8
・在庫変化 56.0>前月は54.5、6ヵ月平均は54.8
・仕入れ価格 61.7<前月は64.2と4ヵ月ぶりの高水準、6ヵ月平均は62.9
▽米10月IHSマークイット・サービス業・確報値、8ヵ月ぶりの低水準から改善
米10月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は54.8と、市場予想の54.6並びに速報値の54.7を上回った。8ヵ月ぶりの低水準だった前月の53.5から、改善。ただ、2015年4月で最高だった5月の56.8で、一旦のピークアウト感が残る。内訳をみると、生産が年初来平均を下回った前月を上回ったほか、新規受注も長期トレンドを超える伸びに。仕入れ価格は、2013年9月以来の高水準だった。総合PMIは54.9と、前月の53.9を上回った。サービスと同じく8ヵ月ぶりの低水準から回復した。
ISM非製造業景況指数は高止まり、マークイット・サービス業PMIは8ヵ月ぶりの低水準から改善。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「製造業指数と合わせ、経済は7月以来の力強さで拡大しているようだ」と評価した。その上で「10〜12月期の成長率は2.5%増と試算できる」と分析。ただ、追加関税措置や金利上昇、賃上げペースの加速もあって「最終価格は上昇していく見通し」と結んだ。
(カバー写真:Chris Pople/Flickr)
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