Core Consumer Prices Accelerates On Rent And Used Cars.
米11月消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいとなり、市場予想と一致した。エネルギーが牽引し9ヵ月ぶりの高水準となった前月の0.3%を下回る。原油先物が10月初めの75ドル乗せから一時約30%も急落する過程で、エネルギーは2.2%も低下、前月分の上昇を打ち消した。併せてガソリンも4.2%低下、エネルギーと共に前月のプラスから大きく下振れしている。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は11月に一時2.539ドルまで下落、年初の水準まで落ち込んでいた。そのほか、エネルギーでは電力など公益が平年を下回る気温を受け暖房需要が高まり0.4%上昇、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。エネルギー以外では食品・飲料が前月0.1%の低下から0.2%の上昇へ転じた。
CPIコアは市場予想と前月と一致し、前月比0.2%上昇した。項目別では、帰属家賃が前月に続き0.3%へ上昇。家賃が0.4%の上昇と3ヵ月ぶりの力強さとなり帰属家賃を支えたほか、ホテルなど宿泊も0.2%上昇、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。住宅全般では9~10月の0.2%を超え、0.3%の上昇となる。住宅以外で上昇した項目は娯楽で0.4%上昇、前月の0.1%の低下から転じた。医療費も0.4%上昇、3ヵ月連続でプラスとなったなかで最も強い伸びを示した。その他は低下が優勢。輸送は0.8%低下し、前月の1.1%の上昇をほぼ相殺した。ハリケーン需要が一巡したためか中古車が2.4%上昇、前月の2.6%に続き力強い伸びを果たしたが、新車は低下を2ヵ月で止めつつ横ばいにとどまった。航空運賃は2.4%低下し、前月の横ばいから大きく落ち込んだ。服飾も寒冷な気温だったものの0.9%低下、3ヵ月ぶりにマイナスとなる。
CPIは前年比で2.2%上昇し、市場予想と一致した。前月の2.5%にも届かず、2012年2月以来の高い伸びを遂げた7月の2.9%以下が続く。コアCPIは2.2%上昇、市場予想通りだった。2008年10月以来とリーマン・ショック直後の水準へ加速した7月の2.4%へ近づいた。
CPIコア、2008年10月以来の高水準へにじり寄る。
――12月公表のベージュブックでは、追加関税措置に伴う原材料価格の高騰により、最終価格への転嫁の可能性が指摘されていました。年末にかけ、いよいよCPIに反映される可能性が強まったかのようです。ただし、現時点でハリケーンの反動を一因に中古車が全体を押し上げるほか、家賃の高騰が反映されるにとどまっています。
今後の消費動向に影響を与えうる家賃動向は、足元で高い水準を維持し平均時給を上回る状況。ただし、平均時給の伸びが家賃に追いつきつつある点は、好材料と言えるでしょう。
家賃や中古車を除けば、CPIコアはそれほど上振れしているわけでもありません。今後、追加関税措置の影響が服飾その他へ波及していくのでしょうか?少なくとも消費者は、1年先のインフレ加速を予想していないようです。。
平均時給は堅調な伸びを予想しており、CPIの伸びが限定的であれば消費が大幅に減速するリスクは低いと言えそうです。ただ、インフレが仮に加速すればFedの「経済指標次第」での金融政策に影響し、消費の打撃となるに違いありません。
(カバー写真:Milestone Management/Flickr)
Comments
米7~9月期の家計資産は過去最高を更新、金融資産が牽引 Next Post:
10月の求人数、失業者数との差はITバブル期以来で最大近くに