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米6月求人数、採用者数と離職者数合わせ米中首脳会談前に減少

by • August 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1610

Job Openings, Hires, And Separations All Decline Before U.S.-China Summit.

米労働省が発表した米6月雇用動態調査(JOLTS)で求人数は734.8万人と、市場予想の747万人を下回った。前月の738.4万人(修正値)を0.5%下回り、年初来で増減を繰り返すなかで3回目の減少となる。過去最高だった2018年11月の762.6万人から後退した。ただし、求人数自体は16ヵ月連続で失業者数を上回った。

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(作成:My Big Apple NY)

採用者数は前月比1.0%減の570.2万人となり、過去最高を更新した4月(599.1万人)から2ヵ月続けて減少した。なお、米6月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は2月以来の10万人割れを迎えた5月から改善していた。

離職者数は548.1万人と前月の576.2万人から0.5%減少し、統計開始以来で2番目の高水準から後退しただけでなく、年初来で最低となる。定年や自己都合による自発的離職者も、過去最高をつけた4月の351.6万人はもちろん、前月から1.3%減少した。解雇者数も4.0%減の170.2万人と、2ヵ月連続で減少した。

求人率は5月まで3ヵ月連続で4.7%を経て、4.6%へ低下した。過去最高に並んだ1月の4.8%以下が続く。民間が3ヵ月連続で4.9%となり、鉱業のほか小売、金融が上昇した半面、建設や卸売、娯楽・宿泊などが低下した。政府は前月の3.0%から3.1%へ上昇した。

採用率は前月に2007年5月以来の4%乗せを果たしたが、今回は3.8%へ低下した。民間が前月通り4.2%、建設や小売、情報、娯楽・宿泊などが上昇した一方で、製造業のほか卸売、金融などが低下した。政府も前月に続き1.6%だった。

求人数と採用数はそろって減少も、米6月雇用統計・NFPは堅調。

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(作成:My Big Apple NY)

自発的および引退、解雇などを含めた離職率は3.6%と前月の3.8%から低下し6ヵ月ぶりの低水準だった。民間が前月の4.1%から4.0%へ低下、特に建設、卸売、金融が上昇したものの、鉱業、製造業、小売、専門サービスなどが低下した。政府は前月通り1.5%だった。自発的離職率は2018年6月以降の流れを受け継ぎ2.3%と、2001年4月以来の高水準だった9月の2.4%以下が続く。解雇率は2ヵ月連続で1.2%を経て、1.1%。2000年12月に統計が開始してから最低となる2018年3月の1.0%へ近づいた。

自発的離職者数と解雇者数がそろって減少、離職者数は年初来で最低となる。

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(作成:My Big Apple NY)

――以上の結果を踏まえ、今となっては懐かしいイエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。達成項目は前月に続き9項目中6項目。未達項目は2月の大幅鈍化が響くNFPのほか、長期失業者の割合、労働参加率でした。ただ非農業部門就労者数は労働市場逼迫に伴い、鈍化する傾向が強まります。以下は詳細で、()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字となります。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004-07年平均 3.0%
現時点 4.6%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点)2.0%
2004-07年平均 1.4%
現時点 1.1%

3)自発的離職率 ○
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004-07年平均 2.3%
現時点 2.3%

4)採用率—○
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004-07年平均 3.8%
現時時点 3.8%

5)非農業部門就労者数—×
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004-07年の3ヵ月平均 22.4万人増
現時点の3ヵ月平均 14.0万人増

6)失業率—○
2009年10月(最悪時点) 10%
2004-07年平均 5.0%
現時点 3.7%

7)不完全失業率—○
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004-07年平均 8.8%
現時点 7.0%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004-07年平均 19.1%
現時点 19.2%

9)労働参加率—×
2015年9月(最悪時点) 62.3%
2004-07年平均 66.1%
現時点 63.0%

有効求人倍率は求人数と採用数が減少し失業者が増加したため、低下。

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(作成:My Big Apple NY)

――米6月雇用動態調査は芳しくない結果でしたが、米7月雇用統計ではNFPが堅調なペースを保っています。それだけではなく労働参加率が上昇し、平均時給の伸びも加速しました。米国の家計は女性や高齢者の労働市場再参入を手掛かりに経済活動の裾野を広げており、求人数や離職者数の減少が景気鈍化を示唆すると判断するのは早計と言えるでしょう。

(カバー写真:Roadsidepictures/Flickr)

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