What Retail Apocalypse? Hudson Yard Emerges As The Most Iconic Multi-Commercial Complexes②
前回の続きです。
ハドソン・ヤードとは、ハドソン川沿いは34丁目付近と10thアベニューを起点とした不動産開発プロジェクト。もともとはロング・アイランド鉄道の操車場跡地だったところにオフィスビル、ショッピング・モール、コンドミニアム、公園、学校などを建設する計画で、NY市の不動産開発プロジェクトとしては2001年の同時多発テロ以降で最大の規模となります。
第1段階として、2019年3月にはショッピング・モールを始め55 ハドソン・ヤードなど複数のオフィスビルが竣工しました。不動産開発業者にはリレーティッド・カンパニーやオックスフォード・プロパティーズなど米国勢に加え、三井不動産や東急不動産など日本勢が名を連ねます。
オフィスビルには米国のコンサル大手ボストン・コンサルティング・グループやテクノロジー大手アルファベット傘下のサイドウォーク・ラボ、複合ブランド大手タペストリー、そして仏化粧品大手ロレアルや独ソフトウェア大手SAPが入居済みなんですよね。 そこに、今度はフェイスブックが名を連ねる見通しです。
ハドソン・ヤードの魅力は、他の商業施設と違ってムーブメントを存分に楽しめることでしょう。まずは、“ベッセル(Vessel)”をご紹介。
大型船というより導管との訳がふさわしいこの建物、英国人建築家トーマス・ヘザーウィック氏が手掛けた8階建てのランドマークです。ハチの巣のような特徴的な外観を誇るだけでなく、2,500段の階段と80の踊り場をらせん状に昇れば、頂上でハドソン川を一望できるのですよ。もちろん、妊婦の方や体の不自由な方に配慮し、エレベーターも設置しております。外の景気だけでなく、ベッセル内側に広がる非現実的な視界も楽しめ、インスタ映えすること間違いなし。足を運んでみたい方は、予約制なので入場する前にスマホでチケットを取得して下さい。なお、今すぐ入場したいあなたはFles Passを10ドルで購入できます。
もう一つは、空中遊歩道の“ハイライン(high line)”。34丁目のハドソン・ヤードを起点にチェルシー地区をまたぎ、14丁目のミートパッキング地区まで届きます。もともとは2009年に14丁目周辺西側で開発済みだったのですが、今回34丁目までつないだかたちです。ハイラインでは現代アートや近未来的デザインの高級コンドミニアムなどを愛でることができる上、煉瓦造りの古き佳きアパートやグラフィティなどとの対比も満喫できますよ。
34丁目から、ゴー・ウエストならぬゴー・サウス!
近未来的な高級コンドミニアムを購入するには、お金と愛が必要?
ストリート・アートも、NY風。
(出所:My Big Apple NY)
ベッセルとハイラインの共通点は、目で楽しむだけでなくウォーキングなど身体を動かすメリットがあることでしょう。いわゆる体験型商業コンプレックスといっても過言ではありません。SNSに投稿したくなる風景をあらゆる角度から撮影できるだけに、ますます知名度が上がり訪れる人の数も増えていくのではないでしょうか。
ハドソン・ヤードの年間訪問客は、200万人が見込まれています。NY市の観光客数2018年に6,520万人と過去最高でしたが、ハドソン・ヤードの誕生で今年も記録更新は間違いなし?関係各社を”小売の終末“から救い、商業的な成功につながれば、他の不動産開発プロジェクトでもウォーキングとアートを融合させた建造物が各地のランドマークとして乱立しそうです。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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